「デイサービスセンターのさまざまな種類(前編)」では、通所デイサービスや基幹型デイサービスについてご紹介いたしました。後編では、さまざまなデイサービスセンターについてご紹介いたしますので、その内容や価格などを比較し、利用者にあった デイサービスセンター を検討しましょう。
デイサービスセンターのさまざまな種類(後編)
営利法人経営の通常型デイサービス
介護保険の施行により、介護福祉分野に新たに参入が認められた株式会社が経営するデイサービスです。従来の「基幹型」をモデルにしながらも、一回り小さい規模のところが多く、定員は20~30人程度のところが多いです。
厨房はなく、弁当をとっているところが多いようです。人員配置基準は「基幹型」と変わりありません。利用時間もほぼ変わりませんが、利用者の希望に応じて短くしたり長くしたりといった柔軟な対応をしてくれるところも多いです。
地域での存在感は正直なところ「基幹型」には到底及びませんが、営利法人ならではのサービス精神や営業努力によって利用者を獲得しています。
民家改修型デイサービス
およそ7~8年くらい前に大流行した小規模デイサービスです。比較的安価で気軽に設立できるという触れ込みで、爆発的に増加しました。
普通の空き家を借り上げて少し手を入れるだけですので、設備は「基幹型」や「通常型」に比べるべくもありません。入浴は多少の改修はしてあるものの通常の家庭用浴槽で行うので、寝たきりの人の対応はできないでしょう。
利用定員は10人以下ですので、1人1人に対する細やかな対応と家庭的な雰囲気を売りにしているところが多いです。いわゆる「施設」が嫌で、「誰かの家に遊びに行く」という感覚を大切にしたい場合には適していると思います。
賛否はありますが、介護保険適用外である「お泊りサービス」も同時に行っているところもあります。費用は1日1,500円程度、泊まりも600円程度の追加料金で利用できるので経済的に厳しい世帯には人気があります。
前述の通り、このタイプのデイサービスはコストが低い割に収益が良いので、異業種からの参入が殺到したのですが、かえって増えすぎて介護保険の財政を圧迫する事態となりました。
ここ数年の介護保険の改定で次第に保険給付が削られ、平成28年4月からは新たに作られた「地域密着型通所介護」に区分けされます。これは管轄を都道府県レベルから市区町村レベルにすることで、過剰な供給を抑えようとする意図があると推測されます。
リハビリ特化型デイサービス
ここ最近で最も増えているタイプです。利用定員は午前10人・午後10人と2回転させるのが特徴です。食事や入浴はなく、3時間程度でリハビリだけして帰る、というシンプルなメニューになっています。
「基幹型」「通常型」「民家改修型」のような、みんなで歌を歌ったり長い時間拘束されることが好きではない人はこちらに向いているかもしれません。このタイプを利用するのは、介護認定を受けていても、まだ身体機能が比較的良好で認知症もない方々が多い傾向があります。
車椅子を使う人はほとんどいない印象です。食事代もかからないので費用は1回あたり700~800円程度です。車での送迎もあるので、マッサージや接骨院に自分で通うよりは良いと評判になっています。
しかし、このタイプも「民家改修型」と同じく増えすぎたために、改定で介護報酬を削られてしまったので、供給は頭打ちかもしれません。
まとめ
あまり知られていないデイサービスの種類(後編)
営利法人経営の通常型デイサービス
民家改修型デイサービス
リハビリ特化型デイサービス