2014年12月から、警察庁により「オレオレ詐欺」は「 振り込め詐欺 」へと名称を変えました。年々巧みになる手口により、主に高齢者を中心として多額の金銭がだまし取られています。
最近 逮捕 された主な例を紹介することで、どのようなことに気をつければよいか考察しました。
振り込め詐欺の逮捕例から学ぶ!注意すべき点とは
「オレオレ詐欺」の伝統は健在!息子かわいさにつけ込んで
2016年8月、振り込め詐欺のリーダー格が2人逮捕されました。福岡市在住の船田真史容疑者と、東京都在住の北藤直樹容疑者です。
彼らは昨年、81歳の女性へ息子を装って電話し、「社内の女性を妊娠させ堕胎させてしまった」などと言い、400万円を詐取したとされています。警視庁は、被害は少なくとも10人にも及ぶだろうとみているとのこと。
「人身事故を起こしてしまった」「会社の金を落としてしまった」「恐ろしいサラ金から大金を借りてしまった」。息子と偽って電話をし、取り返しのつかないことをしたからお金が必要だというストーリーで高齢者を混乱させる手口は、「オレオレ詐欺」と呼ばれていた頃からの常套手段です。
このような手法は現在「なりすまし詐欺」などとも呼ばれ、身内を助けようとする強くひたむきな気持ちを利用するのが特徴です。
不安な気持ちに負けず、いったん電話を置いて本人へ連絡するのが肝心です。本人に電話がつながらなければ、気のおけない知り合いか警察に相談しましょう。今の不安な気持ちを吐き出すだけでも落ち着きます。
お金が戻ってきますと言われて出かければ、逆に振り込みさせられる
2016年6月、振り込め詐欺の容疑で18歳から22歳の3人の若者が逮捕されました。
彼らは市役所職員を装い、「医療費の過払い金があります」などと言って宮城県在住の高齢者をだまし、ATMを操作させておよそ150万円を詐取したとのこと。合計5人から650万円を振り込ませたと、警視庁はみています。
ATMの操作に慣れた世代であれば「何か変だぞ」と気づくはずですが、窓口での取引が当たり前の世代には、機械の操作が少し難しいのかもしれません。市役所職員からの案内で操作していると思えば、安心していうとおりにしてしまうのでしょう。
このような手法は「還付金詐欺」と呼ばれ、従来の「オレオレ詐欺」と比較すると、お金を支払えと言うのではなく、逆にお金が戻ってくるとするのが特徴的です。相手の警戒心をいったんは解き、慣れないATMへ誘導して巧みに騙し取るのです。
この還付金詐欺が増加を始めたことから、各銀行のATMでは「電話をかけながら操作をしないように」との貼紙が見られるようになりました。また、ATMを繰り返して利用し、大金を振り込むそぶりを見せている人には警備員や銀行員が声がけをするといったことがなされています。
いずれにせよ、役所から電話で個別に還付金の案内をするのは考えられないことです。これ一つだけを肝に銘じていれば、還付金詐欺にひっかかることはないでしょう。
有料サイトの料金を払えとプリペイドカードを買わせる
2015年6月、架空の有料サイトの登録料を請求しだまし取ろうとしたとして、大嶋潤一容疑者ら4人が逮捕されました。
逮捕のきっかけとなった事件は未遂であり、実際の被害には至らなかったケースです。しかし大嶋容疑者らはそれまでに1億円以上を詐取した疑いがあると、警視庁はみています。
こういった手法は「架空請求詐欺」と呼ばれ、最近では振り込みを要求するのではなく、コンビニなどでプリペイドカードなどを買わせる手口が問題になっています。購入したカードの番号を送らせ、換金するのです。
「アダルトサイトの閲覧料金を支払ってほしい」などと言われると、具体的には覚えていなくてもなんだか慌ててしまいますね。
しかし、いったん冷静になることが大事です。犯人がプリペイドカードを要求するのは、本人確認が不要で簡単に買えるから。「プリペイドカード」という言葉が出たら、怪しいと思ってまず間違いないでしょう。
まとめ
振り込め詐欺の逮捕例から学ぶ!注意すべき点とは
オレオレ詐欺」の伝統は健在!息子かわいさにつけ込んで
お金が戻ってきますと言われて出かければ、逆に振り込みさせられる
有料サイトの料金を払えとプリペイドカードを買わせる