夫が死亡して、かけていた厚生年金を遺族に支給してもらうためには、その内容を知っておかなければなりません。では 遺族 厚生年金 とは 、どのように支給されるのでしょう。
また受給を受ける時の対象者の条件や受給期間、失権する場合とはどうなっているのでしょうか。そのような点についてご説明します。
遺族厚生年金とは、どのように支給されるのか!
▽ 目次
遺族厚生年金を受給できる遺族や年齢要件は
遺族厚生年金を受給できる対象者は、被保険者が死亡した時点で生計を共にしていた配偶者や子、父母や孫、祖父母です。ただ受給できるための年齢要件が次のように決まっています。
被保険者の死亡時点での受給者の年齢要件
妻の場合には、年齢に関わらず受給できますが、子や孫の場合には18歳の年度末までです。ただし障害等級が1級か2級の場合には20歳まで支給されます。
また夫や父母、祖父母の場合には、被保険者が死亡した時が55歳以上である必要があります。
いずれも被保険者が死亡した日の翌月から受給できます。
遺族厚生年金を受給できる期間は
妻の場合は、夫の死亡時に妻が30歳以上か子がいる時は一生涯受給できます。
ただ遺族基礎年金の受給権が30歳になる前に消滅した場合には、たとえ子どもがいても消滅後5年たつと受給権がなくなります。
このように妻の年齢が、夫が死亡時に30歳未満か30歳以上かで受給期間に違いが出てきます。夫の死亡時に妻が30歳未満で遺族基礎年金の支給対象となるような子どもがいないのであれば5年間で支給は打ち切られるのです。
子と孫は、18歳年度末までです。ただ障害等級で1級や2級に該当する場合は20歳まで支給されます。
夫や父母、祖父母は60歳からの受給となります。
遺族厚生年金の受給権が失権する場合とは
今までの要件を満たしていても次のような事由が発生すると遺族厚生年金の受給権は失われます。
受給者が死亡した場合や祖父母などの直系尊属や配偶者の父母や祖父母などの直系姻族以外の人の養子になった場合です。
また、婚姻したり離縁によって死亡したりして、元の被保険者と親族関係でなくなった場合にも対象者となります。
このような失権事由に該当するとその翌月から受給はありません。
遺族厚生年金受給の優先順位とは
優先順位は、第1グループと第2グループに分かれます。第1グループでは、まず子のある配偶者からそして子ども、子のない配偶者の順番です。
第2グル-プは、父母そして孫、祖父母の順番です。
この順番で父母や孫、祖父母などの第2グループの受給者は、上位順位者が第1グループや第2グループにいない場合のみに受給権が発生します。ただ死亡等によってたとえ受給権が上位者になくなった場合でも、遺族厚生年金が下位順位者に支給されるということはありません。
そして、第1グループの場合には該当者は必ず受給権が発生します。ただ上位の順位の人がいる間は、当然のことですが支給はされません。でも上位の人が失権するということがあれば年金が受給できます。その点が第2グループとは異なるのです。
遺族厚生年金受給の場合の注意点とは
夫が死亡した場合妻と子が生計同一の時には、配偶者に遺族基礎年金が支給されます。そして遺族厚生年金も配偶者に支給され子どもには支給されません。
でも妻と子が別居していて生計同一でない時には、子どもに遺族基礎年金は支給されるのです。妻である配偶者には、遺族基礎年金の受給権はありません。そして、遺族厚生年金も子どもに優先的に支給されます。
そして、子どもが18歳年度末に到達して遺族基礎年金の受給権を失権した時に、妻の支給停止が解除となるので遺族厚生年金が受給できます。
このように遺族厚生年金の受給権というのは、遺族基礎年金との関係が大きいものです。まず優先順位は遺族基礎年金の受給権を押さえないと遺族厚生年金についても理解しにくいものとなっています。
まとめ
遺族厚生年金とは、どのように支給されるのか!
遺族厚生年金を受給できる遺族や年齢要件は
遺族厚生年金を受給できる期間は
遺族厚生年金の受給権が失権する場合とは
遺族厚生年金受給の優先順位とは
遺族厚生年金受給の場合の注意点とは