どんな家族でも、いつ遺族になるかは分かりません。亡くなった方の年齢や立場によって残された家族はどのようにして生きていけばいいのか途方に暮れることもあります。そんな中で1つの経済的な支えになるのが 遺族 年金 です。
いざという時に備えて遺族年金の種類や手続きなどお伝えします。
いざという時に備えて。遺族年金を知る。
遺族年金とは
遺族年金とは、年金をかけていた方(被保険者と言います)が亡くなった際に残された遺族にむけて支給される公的年金の総称です。
日本の公的年金制度の中では、日本国内に居住する20歳以上の人が加入している国民年金をはじめ、就労の形態により加入する公的年金制度の枠が決まっています。
どの枠に属していたかにより遺族年金の種類も変わります。加入していた枠の次に大切なのは、被保険者が年金の保険料を支払っていた期間(納付期間)や支給要件を満たしているかどうかを確認しなければいけません。
そして請求しようとしている方が支給要件の対象者になっているかどうかも確認が必要です。受け取る方の年齢や立場によっては支給対象外になることもあります。
遺族年金の種類
まず、20歳以上の方がすべて加入している国民年金からご説明します。年金に加入する条件の方すべてが該当する枠組みなので国民年金とは公的年金制度の中でも基礎の部分にあたります。加入期間は20歳~60歳までの40年間です。
年金制度の中でもこの国民年金の対象者とは自営業の方です。保険料はその年により異なります。
2つめは、サラリーマン(厚生年金保険に加入している事業所に勤務)の方が対象となる厚生年金です。こちらは加入期間や給料の総支給額(標準報酬月額と言われるもの)から年金額が算出されるので個人により保険料が異なるように支給額も変化します。
3つめは、公務員・私立教員としてお勤めをされている方が対象となる共済年金です。それぞれの組合を持ち加入する年金制度となりますが厚生年金制度と仕組みは同じです。
上記3種類の公的年金制度のうち、どこかの年金制度に必ず加入している仕組みになっており、厚生年金・共済年金に加入している方については先ほど述べた基礎部分である国民年金にも自動的に加入することになるので「二階建ての年金」と言われることもしばしばあります。
国民年金の被保険者が亡くなった時は「遺族基礎年金」、厚生年金の被保険者が亡くなった時は「遺族厚生年金」、共済年金の被保険者が亡くなった時は「遺族共済年金」という名称になります。
遺族年金の対象者とは
いざ請求するとなった際、遺族年金の対象者になっているかどうかを確認しなければなりません。
まず、遺族基礎年金についてです。
亡くなった被保険者によって生計を維持されていた18歳未満の子(18才年度の末日を過ぎていない子)もしくは20歳未満で障害年金の障害等級が1級または2級の子がいる配偶者、またはその子です。
配偶者か子かいずれかどちらかに支給となり、子の分も合わせての支給となります。この配偶者というのは戸籍上だけを表すのではなく内縁関係も含まれます。
ただし亡くなった方と生計を同一にしていたことや事実上婚姻関係にあったかどうかなどの証明が必要になります。
続いて、遺族厚生年金・遺族共済年金についてです。
亡くなった被保険者によって生計を維持されていた配偶者、18歳未満の子(18才年度の末日を過ぎていない子)もしくは20歳未満で障害年金の障害等級が1級または2級に該当する子、父母、孫、祖父母が該当します。この中で優先順位が高い方1人に対して支給されます。
続いて納付期間についてです。保険料の納付期間が3分の2以上であることや亡くなる直近1年以内で滞納期間がないことなどが挙げられます。いずれも対象外となるケースがあるので年金事務所などで相談されることをオススメします。
遺族年金の手続き方法
遺族年金を受け取る際に注意したいのが、すでに年金を受給されていた方が亡くなった場合と年金を受給する前に亡くなった方によって届け出が違うことです。
すでに年金を受給されていた方が亡くなった場合は「年金受給権者死亡届」、年金を受給する前の方で国民年金の方は「国民年金被保険者死亡届」を市町村役場へ、厚生年金・共済年金の方は「資格喪失届」を、会社を通じて提出しなければなりません。
その他にも死亡診断書や戸籍謄本や住民票、年金手帳などの提出が必要となりますが提出物については個別性もあるので確認をして揃えるようにしましょう。
遺族年金の一カ月の年金額の計算方法
遺族基礎年金は平成27年4月からは年額780,100円(約月6.5万円)+子の加算となっています。子の数により加算額が異なり、第1子・第2子は各224,500円、第3子以降は各74,800円となります。
遺族厚生年金・遺族共済年金については年金の加入期間や給料の総支給額(標準報酬月額と言われるもの)から年金額が算出されるので個人により保険料が異なるように個々により支給額は変わります。
詳しくは年金事務所や年金相談事務所でご相談されるのをオススメします。
まとめ
いざという時に備えて。遺族年金を知る。
遺族年金とは
遺族年金の種類
遺族年金の対象者とは
遺族年金の手続き方法
遺族年金の一カ月の年金額の計算方法