遺族 年金 とは 、配偶者が亡くなったらもらえる、いわば公的な死亡保障のことです。国民年金のみに加入しているか、厚生年金にも入っているか、18歳未満の子供はいるかなどによって給付の内容は変わります。
遺族年金について、具体的に解説します。
遺族年金とは?誰がいつどのくらいもらえるか知っておこう
誰がもらえるのか
遺族年金がもらえるのは、一家の大黒柱を失った家族です。亡くなった人が国民年金にだけ加入していたなら、「遺族基礎年金」がもらえます。厚生年金にも入っていたなら、遺族基礎年金に加え、「遺族厚生年金」がもらえます。
誰がもらえるのかは、遺族年金の種類によって違います。順にみていきましょう。
遺族基礎年金は、18歳未満の子どもか、20歳未満の障害者等級1級または2級の子がいる配偶者に支給されます。配偶者もすでにない場合は、子どもに支給されます。
つまり子どもがいない場合、夫を亡くした妻などは遺族基礎年金がもらえません。そこから考えると、遺族基礎年金はあくまで1人親の家庭を支えるためのお金であるといえるでしょう。
なお、長らく母子家庭を救済するものとして意味づけされていた遺族基礎年金ですが、父子家庭が増えてきた昨今の情勢をかんがみ、2014年より父子家庭ももらえるように改正されています。
遺族厚生年金は、子のいない配偶者ももらえます。また、亡くなった人に生計を維持されていていた家族であれば、父母や祖父母、孫なども支給対象になります。優先順位は、配偶者、子、孫、父母、祖父母などで、亡くなった人との血縁の近さにより1人だけに給付されます。
ただしもらえる人には、それぞれ年齢制限があります。夫、父母、祖父母は55歳以上であること、子や孫は18歳未満か、20歳未満の障害者等級1級または2級であることが条件です。また子のいない30歳未満の妻は5年しかもらえません。
いつから、いつまでもらえるのか
遺族基礎年金も、遺族厚生年金も、申請しなければ受け取ることはできません。申請すれば、死亡日の翌月から支給してもらえます。ただし、振込はさらにその1ヶ月先になることが予想されるため、最低でも3ヶ月は待たなければならないと思ったほうがよいでしょう。
申請が遅れても、亡くなってから5年以内であれば、さかのぼって支給してもらえます。5年以上申請を忘れていると、申請日からさかのぼって5年分は支給してもらえますが、5年以上前についてはもらえません。
遺族基礎年金は、子どもが高校を卒業すると、それ以降はもらえません。遺族厚生年金は、子どもの有無にかかわらず、妻は一生涯もらえます。他の受給者については、年齢制限に達するまで受給できることになります。
どのくらいもらえるのか
遺族基礎年金の支給額は、保険料を納付した期間が長かったからといって優遇されることはありません。年金資格があれば誰でも定額です。ただし、子どもの数によって金額は変わります。
遺族基礎年金は、2016年度からのもので78万100円+子の加算となります。第1子と第2子はそれぞれ22万4,500円、第3子以降は各7万4,800円が支給されます。
よって、18歳未満の子どもが3人いる母子家庭の受給額は、78万100円+(22万4,500円×2)+7万4,800円=130万3,900円です。
遺族厚生年金の支給額は、少し複雑な計算をしなければ求められません。亡くなった人の報酬比例部分の年金額に対して4分の3が支給されるのですが、2003年を境に年金額の計算が変わるため、加入期間をきちんと確認して正確な計算をする必要があります。
遺族年金がもらえない場合がある
次の3つの場合は、遺族年金がもらえない可能性がありますので、よく確認することが必要です。配偶者の年収が850万円以上の場合、遺族年金以外の年金をすでにもらっている場合、生計を一つにしていたことを戸籍上証明できない場合です。
これらの事情がある人は、一度窓口に相談してみましょう。窓口は、年金事務所または年金相談センターです。もらえないといわれたときにもすぐに諦めず、行政書士など法律の専門家に相談することをおすすめします。
まとめ
遺族年金とは?誰がいつどのくらいもらえるか知っておこう
誰がもらえるのか
いつから、いつまでもらえるのか
どのくらいもらえるのか
遺族年金がもらえない場合がある