介護保険制度の運営に必要な財源は、介護保険財政(国・地方・保険料など。以下で説明)が9割を負担し、残り1割を利用者が支払うことにより成り立っています。
保険料は、40歳以上の国民が負担しますが、64歳までの保険料と65歳以上の保険料は計算方法が異なります。
今回は、介護保険財政全般の説明の後、それぞれの 介護 保険料 の 計算 方法について概説します。
介護保険料の計算について
介護保険財政について
介護保険財政とは、介護保険制度を運用するために必要な財政措置ですが、その内容は全体の50%を税金で、残りの50%を40歳以上の国民の保険料で賄っています。
税金の内訳は、国が全体の25%、都道府県と市町村がそれぞれ12.5%となります。
次に、保険料ですが、介護保険では65歳以上の者を第1号被保険者、40歳~64歳までの者を第2号被保険者に分け、それぞれ別の計算方法により保険料を決定しています。
これら被保険者が保険料として賄う50%の内訳は、第1号被保険者が約21%、第2号被保険者が約29%となっています。
第1号被保険者(65歳以上)の保険料
65歳になれば、第1号被保険者として保険料を納付しなければなりません。
その計算方法は、概ね以下のとおりです。
まず、保険料の基準額を決定します。決定の方法は、基準額=(その市町村で介護保険給付にかかる費用)×(65歳以上の人の負担割合(21~22%※自治体によって異なる))÷(その市町村の65歳以上の人口)となります。
この基準額を基準として、例えば被保険者本人に市町村民税が課税されているか否か、また非課税であってもその方の世帯員に課税者がいるかなど、全体で11段階程度の区分を設定した上で、いずれの段階に当てはまるかで保険料を決定しています。
全国平均では月額5,514円(27年度~29年度まで)となっています。
第2号被保険者(40歳~64歳)の保険料
国民は、40歳になれば介護保険制度の第2号被保険者となり、介護保険料を支払わなければなりません。具体的には、40歳の誕生日の前日の属する月(例:12月10日が誕生日であれば12月9日が「前日」となり12月分から支払うことになります。)の分から徴収されます。
65歳になれば、第1号被保険者となり、市町村の計算による保険料を納付する必要があります(上記参照)。
第2号被保険者の保険料の額は、本人の属する健康保険組合によって計算方法が異なりますので注意が必要です。
国民健康保険加入者
まず、企業等に勤めておらず、自営業等の方が加入する国民健康保険の場合の保険料は所得割、均等割、平等割、資産割を基本にそれぞれの市町村によってこれら全部、または一部を合算して決めます。
このため、国民健康保険加入の方の保険料がどのように決定されているかについては、お住まいの市町村役場に確認する必要があります。
なお、支払方法は、健康保険料の支払いと合算して納付する方法(普通徴収)によります。
健康保険組合加入者等
次に、勤め先の企業等が設立する健康保険組合の加入者の保険料は、標準報酬月額×介護保険料率で決定します。保険料率は、加入する健康保険組合ごとに異なってきます。
このため、ご自分の保険料率については、加入する健康保険組合に直接確認する必要があります。
参考までに、健康保険組合を持たない企業が合同で設立している「全国健康保険協会」の介護保険料率は、1.58%となっています。
なお、保険料は原則事業主と折半となります。
また、第2号被保険者の配偶者など、被扶養者で40歳~64歳までの方の保険料は2号被保険者全体の保険料で賄いますので納付の必要はありません。
支払方法は、給与からのいわゆる天引き(特別徴収)の方法によります。
※参考資料:「全国健康保険協会」HP平成27年度保険料額表
まとめ
介護保険料の計算について
介護保険財政について
第1号被保険者(65歳以上)の保険料
第2号被保険者(40歳~64歳)の保険料
国民健康保険加入者
健康保険組合加入者等