自宅で 介護 を始めようとするときには、 手すり を一体どこにどれだけつけたらよいか迷ってしまうのではないでしょうか。手すりをつけるのに効果的な場所や手すりの選び方、取り付け費用などについて解説します。
在宅での介護を始めるなら、まずは手すりをつけることから!
自宅では、手すりをどこにつければいい?
手すりをつける位置として誰もが思い浮かぶのが、玄関やお風呂場、トイレ、ベッド周りではないでしょうか。上階へ上がる必要があれば階段にもつけたいですが、できれば介護中は階段の上り下りが少ない生活が理想です。
玄関やトイレ、浴室になぜ手すりが必要なのか。それは、立つ・座るの動作が頻繁にあるところだからです。その視点で、家のあらゆるところにおいて考えてみましょう。立つ・座るの動作が必要な場所が、他にないでしょうか。
まず考えられるのが仏壇です。配偶者や先祖を毎日拝めるよう、手すり付きのいすなどを仏壇前に設ければ喜ばれます。また、リビングの席まわり、洗面台の脇などにも手すりをつけておくと、さりげない補助として活躍します。
また、手すりは夜中などの暗いときに、誘導の手助けをしてくれます。夜中トイレに立ったとき、被介護者の自室からトイレまでの廊下に手すりがあると、さらに便利です。
どんな手すりを選べばいい?
まずは、本人が握りやすい太さはどのくらいかを確認することが重要です。とくに小柄な女性については、平均的な径35ミリよりも、やや細めのものを選ぶ必要があるでしょう。
つけるべき手すりの形状は、場所ごとに違ってきます。廊下の伝い歩きを補助するためのものであれば、横一直線に、バー状にとりつけるのが一般的です。高さは、80センチメートルを基準として、本人の使いやすさを重視した高さに設定しましょう。
階段の手すりは、段差に対して水平になるようにつける必要があります。カーブや踊り場などで手すりを曲げる必要があるため、自在に曲がるタイプがおすすめです。高さは、廊下の手すりよりも体重がかけやすいよう、やや低めに設定します。
玄関やトイレ、浴室、ベッド周りなど立つ・座るの動作が生じるところには、縦型、横型それぞれの手すりを設置しましょう。立ち上がる場所に縦型の手すりを設け、続けて進行方向に横型の手すりをつけます。玄関専用の段差対応手すりや、トイレ専用の可動式手すりがあるので利用しましょう。
「そんなに多くの手すりはつけられない」といった場合には、すでにしつらえてあるもので立ち座りの補助になるものがないか点検してみましょう。きっと見つかるはずです。
レンタルと購入、どちらがお得?
壁に直接とりつけるバータイプの手すりは例外ですが、手すりはレンタルすることもできます。とくに、まだどのような手すりが最適か決めかねているときにおすすめです。いっときだけの重篤な状態のために手すりを使うというときにも、レンタルがいいでしょう。
ただ、手すりをつけるということは、これから家で手すりを使って生活する日が長くなるということですから、気に入ったものは早めにレンタルを切り上げて購入したほうがお得と考えられます。一度つけてしまえば、他の家族が身体を痛めたときにもありがたい補助となります。
取り付け費用はどのくらい?
バータイプの場合、手すりそのものや取り付け費用については、長さにもよりますが、それほど莫大な出費になりません。金銭的にネックとなるのは、壁の補強が必要なときです。補強面が広範囲に及ぶと、10万円単位でお金が消えていく可能性があるでしょう。
また、バータイプではないトイレや玄関用の手すりには高価なものも少なくありません。長く使うと思えば十分納得のできる出費といえますが、車いすや杖、介護ベッド費用などのことも考えれば、一時的にややまとまったお金が必要でしょう。
このように、在宅介護が始まるときには金銭面で不安になりがちですが、介護保険が適用になれば、手すり設置費用の助成が受けられます。20万円まで、9割の補助を受けることができるうえ、総額が20万円になるまで何度でも使うことができます。
また、介護用品のレンタル時には1割負担となりますので、負担はだいぶ軽くなるでしょう。
オリジナルの助成制度を敷いている自治体もあるため、まずは福祉課や、お世話になっている介護相談員に確認するのが賢い方法です。
まとめ
在宅での介護を始めるなら、まずは手すりをつけることから!
自宅では、手すりをどこにつければいい?
どんな手すりを選べばいい?
レンタルと購入、どちらがお得?
取り付け費用はどのくらい?