介護などを受ける場合に ケアプラン という介護の計画書があります。そのなかに 短期目標 と長期目標があります。目標を立てる際に、利用する人の状態や要望などに応じて設定を行います。
今回は日常生活に身近な短期目標についてまとめましたので参考にしてください。
ケアプランの短期目標はとても大事なことを知っていますか
目標を立てる理由
人が生きていくために行われるものがあります。それは生活行為と呼ばれ、食事、睡眠、排泄などの日常に行われる生活活動のほか、仕事や趣味などの余暇活動があります。これらの生活活動のくりかえしで私たちの生活がなりたっています。
しかし何らかの事情で生活行為がうまくできないなどの状態が生じたときにサポートを行い、生きることへの意欲を持つことと、他の人や社会との関わりを持つことで、現在の状態を改善方向へ導くために目標を立てることが理由です。
短期目標と長期目標のちがい
一般的には短期目標とは解決すべき課題を長期目標に向けて段階的に設定します。ケアを受ける人それぞれに目標がちがいますので、その人にあった目標を立てます。短期目標の達成を積み重ねていくことで長期目標を実現していく流れです。
一方、長期目標はケアされる人の望む生活行為が可能になるまでの目標で、短期目標の階段をのぼることで長期目標の達成を目指します。その際に短期目標で結果がでなくてもあきらめずに継続し、様子をみながら目標内容を変更してあせらず行うことが大切です。
ケアされる人の気持ちをくみとり目標を立てる
ケアされる人の状態はさまざまです。当然のことながら、その人の歩んできた人生があります。以前は自分自身でできた動作が今はできなくて、とてもつらい思いをしている場合や、気持ちは前向きで人の助けがあれば、なんとかできる人など外見だけではわからないことがたくさんあります。
まずはケアされる人の気持ちを理解しなければいけません。現在の状態からどのように改善していきたいのか、また言葉などが不自由な人であれば家族の方に聞いて確認することも必要です。ケアされる人の希望をしっかりと聞いたうえで目標を立てます。
短期目標の設定について
まず利用者や家族の方と話し合いを行い、比較的小さな改善効果がありそうな項目を書き出します。大分類として、基本動作、食事、入浴、排泄、コミュニケーションなどにわけられます。参考例としてこの大分類を少しわかりやすく説明します。
基本動作については、自分の力でできるようになることを目標として、寝返りや起き上がりなどや、座ること、立つこと、歩くことなどの項目があります。
食事については、しっかりとスムーズに飲み込むことにはじまり、しっかりかむことができる、自分で食事を食べることができる、ほかの人と一緒に食事をすることができる、口腔内を清潔にするため自分で歯磨きができるなどの項目があります。
入浴については、自分で洗うことができる、衣服の着脱ができる、安全に浴槽につかることができる、みだしなみを整えるなどの項目があります。
排泄については、尿意や便意を訴えることができる、自分でトイレにいくことができる、間に合うようにトイレに行くことができる、清潔を保つことができるなどの項目があります。
コミュニケーションについては、自分でしたいこと、言いたいこと、行きたいところなどが言えるようになることや、他の人との関わりやコミュニケーションが増えるなどの項目があります。
短期目標の終了後に行うこと
短期目標の終了についてですが、意味合いがいろいろあります。設定期間内に目標が達成して終了となる場合と、目標未達成のまま設定期限が過ぎてしまう場合の終了があります。
まず目標を達成した場合ですが、利用者や家族の方に目標を達成した報告を行います。現状維持を継続するか、またはステップアップをめざして新しい目標を立てて実施をすすめるのもよいでしょう。
一方、目標が未達成の場合には利用者や家族の方と話し合いを行い、再度同じ内容で目標を継続するのか、もしくは設定内容を利用者にあった内容に修正することも必要となります。
いずれにしても短期目標の節目において、利用者や家族の方としっかりと話し合いを行うことがなによりも大切なことです。
まとめ
ケアプランの短期目標はとても大事なことをあなたは知っていますか
目標を立てる理由
短期目標と長期目標のちがい
ケアされる人の気持ちをくみとり目標を立てる
短期目標の設定について
短期目標の終了後に行うこと