通所サービスとも呼ばれているデイサービスや高齢者の介護施設などでは、レクリエーションの一環として脳トレに取り組むことが多いようです。
すでに認知機能に衰えが認められる場合は言うまでもなく、介護予防の観点からも注目されている 高齢者 の 脳トレ の 問題 にはどんなものがあるのでしょうか。
こんなにもある高齢者のための脳トレ問題の例
まずはお馴染みの計算系の問題
簡単な足し算・引き算・掛け算・割り算をプリントにして、取り組むことが多いようです。大人のための脳トレとして、ブームにもなりましたが、簡単な計算に取り組むことは脳の活性化に大いに貢献するようです。
足し算を例にみてみましょう。1桁プラス1桁から始めて、2桁プラス1桁で繰り上がりなしから、2桁プラス1桁繰り上がりありという具合に、少しずつ難度をあげていくということもできます。
ただし、高齢者にとっては、レベルを上げていくことが目標ではありません。簡単な計算でも脳の活性化には十分効果があることは脳科学の研究で明らかになっています。
難度を上げることや高齢者個々人のレベルに合わせた問題を用意することが必要なのは、レベルを上げるためではなく、飽きずに続けるためです。
いち たす さん という具合に平仮名で計算に取り組む試みなども、脳の文字を処理する分野と数字を処理する分野を同時に活性化するだけでなく、単純な計算を飽きずに続ける工夫としても有用です。
2つのことを同時に行うことが脳の活性化によいことはよく知られています。歩きながら、足踏みしながら計算問題に取り組むというのもよいでしょう。
足し算・引き算・掛け算に利用できる百ます計算は9~100ますに設定することができます。計算に要した時間を計測することも、個々人に合わせたます数に設定することも可能です。
虫食い算や加減乗除の符号入れなどもこの百ます計算と同様にゲーム性を高めて、楽しく続けるためのよい工夫といえるでしょう。
進化する書き取り系
書き取りと聞いてまず思い浮かべるのは四字熟語でしょうか。文字を使った脳トレの問題もその種類が豊富になってきています。
熟語作りもクロスワードパズルの形式を使ってゲーム性を高めて、楽しんで取り組むレクリエーションとしての側面を強く打ち出してきています。対義語や同義語集めも盛り上がることでしょう。
漢字は部首や作りをバラバラにしたものを完成させるとか、一部が欠けた状態から正しい文字を復元するとかの問題の題材になります。また、同じ部首の漢字を集めるのをデイサービスの集団レクリエーションとして取り入れているところもあるようです。
漢字だけではなく、慣用句やことわざは高齢者の得意技といえるでしょう。また、昔使った教科書や名作の朗読も楽しめるかもしれません。
一行一行、順番に一人ずつ読んでいくのもよいでしょう。プリントに向かって書くことが多くなりがちなので、声を出すことは気分を変えるという意味でも有効です。
まちがい探し・迷路・塗り絵
雑誌や新聞でもおなじみのまちがい探しは高齢者にも人気です。ジクソーパズル同様に難易度が選べ、拡大も自在である点が高齢者の脳トレの問題としての人気の所以でしょう。
迷路の簡易版とでもいう、数字やかなを順番につないでいくことで、絵や図柄が完成するものは大変取り組みやすいようです。模造紙を使って大きい作品をグループで取り組むのも楽しいでしょう。
塗り絵には鎮静効果とでもいうべき人の心を落ち着かせる作用があります。また、脳の活性化にも効果があることが脳科学の研究でも明らかになってきています。素材的にも昔懐かしいものから芸術的なものまで非常に豊富です。
昨今の大ブームで書店や文具店には必ず塗り絵コーナーがあります。完成した作品をポストカードとして利用したり、額に入れて部屋に飾れたりするのも、高齢者の脳トレとして人気がある理由でしょう。
回想法の一環として
デイサービスや介護施設においては認知機能の維持のために回想法を取り入れているところが多くみられます。思い出すという行為はそれだけでも脳の活性化につながります。
昔のできごとや子供の頃使っていた物をきっかけに皆で思い出話をすると、思い出すというだけでなくそれを誰かに伝えるという脳の働きを促すことにつながります。
例えば、子供時代の思い出話から、故郷の地図や住んでいた家の周りの様子などを描いてみるというようなこともできます。思い出が思い出を引き出して、自分史をつくることになるかもしれません。描くことも書くことも脳の活性化には大変良いこととされています。
まとめ
こんなにもある高齢者のための脳トレ問題の例
まずはお馴染みの計算系の問題
進化する書き取り系
まちがい探し・迷路・塗り絵
回想法の一環として