介護のために車椅子が必要になったら、まずはインターネットでいろいろと調べたり、カタログを見て検討したりしたいものです。そこでネックになってくるのが、各部の名称でしょう。何がどこを指しているのかがわからなければ、比較も難しいですよね。
車椅子 各部の 名称 を覚えて、賢い選択をしましょう。
車椅子の各部名称を知ってスムーズな選択を
手押しハンドル、バックサポート、アームサポート
まずは上部から順に説明しましょう。手押しハンドルは、介助者の操作性を左右する重要な部品です。自転車のハンドルと同じような形で、ブレーキがついています。
ハンドルの他、グリップや握りといった表現がなされますが、全て同じ部位です。完全な自走式のものには、ブレーキがついていません。
バックサポートは、いわゆる背もたれです。薄いシート状のタイプが主ですが、クッション性がかなり高いタイプもあります。背中に障害がある場合は、張りを調整することのできるバックサポートが便利です。
アームサポートはひじ掛け、ひじあてとも呼ばれます。製品による特徴は、あまりないといっていいでしょう。跳ね上げ式のものを選ぶと、ベッドへ移乗するときに楽です。
移乗のかなめとなるシート、レッグサポート、フットサポート
シートは腰を掛ける部分で、座シート、クッションなどとも呼ばれます。厚みがあるほど乗り心地は良くなりますが、持ち運ぶときの重さに影響してきます。レッグサポートはふくらはぎ部分に張られるベルトで、移乗の際のクッションとして欠かせません。
フットサポートは、足を置く台です。フットレストとも呼ばれます。移動の際じゃまにならないよう、片足ずつ跳ね上げができるものを選ぶと、移乗の際の事故防止にもなります。
安全性を左右する車輪まわり
車椅子は四輪です。後輪が大きいため二輪と間違われがちですが、キャスターともいわれる10センチ程度の前輪があり、方向転換に役立っています。
後輪脇にはティッピングレバーが取り付けられており、介助者がこれを踏むことによって前輪が浮き上がるため、段差を楽に越えることができます。
後輪は、完全な自走用ではかなり大きめのサイズとなり、22インチ程度が一般的です。介助用は車輪自体にパワーがなくてもよいため、12インチからのものがあります。
後輪の前部には利用者用のブレーキが付けられており、手前に引いたり押したりして後輪を押さえつけることでブレーキがかかります。身長や介護度により操作が困難な場合は、柄を長いものにすることも可能です。
また後輪部分にはタイヤの脇にハンドリムと呼ばれるリングがついており、自走する際にハンドルとして使います。このハンドリムが利用者にとって使いづらいものだと、一人で出歩くときに大変危険となります。ビニールコーティングがされているものなら滑りにくく、安心でしょう。
あると便利なオプション
より快適で安全な車椅子生活を楽しむために、さまざまなオプションが用意されています。車軸にとりつける杖置きは、杖での歩行をしている人には必須でしょう。
また、テーブルを取り付ければ、車椅子に乗ったままで飲食を楽しめます。リュックのようになった車椅子用のバッグを後方に取り付ければ、荷物を入れることができ便利です。
安全性を楽しむためのオプションもあります。シートベルトは、上半身に麻痺などがあり姿勢が不安定な人がつければ安心です。
また、後輪に転倒防止装置をつけると、車椅子が後ろにひっくり返ってしまうのを防ぎます。なお、後輪にスポークカバーと呼ばれる全面カバーを取り付けると、誤って利用者の手が後輪に挟み込まれるのを防ぐことができます。
まとめ
車椅子の各部名称を知ってスムーズな選択を
まずは上部から。手押しハンドル、バックサポート、アームサポート
移乗のかなめとなるシート、レッグサポート、フットサポート
安全性を左右する車輪まわり
あると便利なオプション