日本の平均寿命は徐々に上がり、現在は男性約80歳、女性は約87歳となります。また高齢化率が7%を超えると高齢化社会と言い、14%を超えると高齢社会、21%を超えると超高齢社会と言いますが、日本は現在20%を超え、21%を超えるのは時間の問題となります。
今回は高齢社会から考える 老後 の 資金 について説明をします。
高齢社会と平均寿命から考える老後の資金
60歳以上無職世帯の支出の内訳
平成26年度の家計調査によると、60歳以上無職世帯の食費が約6万円で住居費が約16,000円となっています。
住居費は持ち家か賃貸でも変わり、賃貸でも民間の集合住宅か公営の集合住宅でも変わります。公営の集合住宅であれば収入に応じた家賃となり、持ち家でもマンションであれば修繕費や管理費の支出に加え、車を所持していれば駐車場代も必要となります。
持ち家の場合は修繕費のための貯蓄も必要です。そして水道光熱費や家事用品で、約3万円となり、その他衣服費・保険医療費・交通通信費・教養娯楽費などの支出を合わせ、合計が約24万円となります。
保険医療費は疾病や体の状況により変わってきますし、介護費用も発生するかもしれません。また老老介護の状態であれば親の介護費用の負担が発生するケースもあります。
そしてうるおいのある老後の生活を送るには、教養娯楽費も大幅に増えることになります。月に1回程度旅行に行き、趣味も楽しみたいという生活を描いているのであれば、かなりの貯蓄が必要ということになります。
また単身世帯の場合の支出平均は約15万円となります。
老後の収入と支出
老後の主な収入源となるのは年金ですが、この年金には3種類あり国民すべてが加入する国民年金と、サラリーマンやOLなどが加入する厚生年金と、公務員や私立学校の職員が加入する共済組合があり、国民年金をおさめる自営業者を第一号被保険者といい、厚生年金や共済組合に加入する者を第二号被保険者といい、第二号被保険者の扶養となる妻は第三号被保険者といいます。
国民年金の平均受給額は月額約54,000円で、厚生年金の平均受給額は145,000円となりますが、厚生年金の平均受給額は年々減少傾向にあります。
また高齢者世帯の生活費は、総務省の「家計調査年報」によると平均約24万円となり、サラリーマンと専業主婦の世帯で考えると、年金収入が二人合わせて約20万円で、生活費が24万円となるので赤字となる計算になります。
自営業者の世帯であれば収入は国民年金のみとなり、夫婦合わせて10万円の収入となり生活費はかなりの赤字となり、自営業者の単身者の場合は、収入が約54,000円で生活費が約15万円となるので大幅な赤字となります。
また年金をもらえるのが65歳のため、男性で考えると平均寿命が80歳のため15年間、女性であれば22年間が年金生活となります。
老後破産の背景
高齢者の人口は3,200万人を超えますが、核家族化が進んでいて約600万人は一人暮らしをしており、そのうち半数は生活保護水準以下の収入しかありません。支出が収入に追い付かず破産状態になることを、老後破産と言われています。
老後破産の背景としては色々原因がありますが、まず年金が足りず、貯金が少ないことがあげられます。また昔は3世帯以上での同居が基本でしたが、現在は核家族化がすすんでいることも原因の一つとなります。
そして医療費や介護費の負担が考えている以上にかかることもあげられます。かつての医療費は自己負担が1割でしたが現在は2割に増え、介護保険の自己負担額も増えています。高齢になっても普通の暮らしをしていくには、社会制度の充実も必要となります。
まとめ
高齢社会と平均寿命から考える老後の資金
60歳以上無職世帯の支出の内訳
老後の収入と支出
老後破産の背景