「病院と家の中間施設である老人保健施設(前編)」では、老人保健施設の特徴や入所費用についてご説明致しました。後編では、 老人 保健施設 では一日をどのように過ごすのでしょうか?また、入所までの流れについてもご紹介致します。
病院と家の中間施設である老人保健施設(後編)
老人保健施設での過ごし方
施設により多少違いますが、大体が同じようなスケジュールを組んでおり、要介護者が活動的に過ごせるよう工夫を行っています。
6:00頃 起床
起き上がりが一人でできない要介護者や洗面ができない要介護者は職員が洗面所に誘導を行ったり、タオルを使用して顔を拭いたりと要介護者に合わせた介護を行います。
7:30頃 朝食
食事介助が必要な要介護者は職員が介助を行いますが、できるだけ自分で食事をとれるよう工夫し、自宅に戻ってから一人で食事が摂れるように訓練も行います。朝食後は、要介護者に合わせた口腔ケアを行います。
10:00頃 個別リハビリテーション
理学療法士や作業療法士がマンツーマンで要介護者のリハビリテーションを行います。その後は、集団での体操やレクレーションに参加し昼食までの時間を過ごします。
12:00頃 昼食
要介護者に合わせた介護で昼食となります。誤嚥を防ぐため、食事前に嚥下体操を取り入れている施設が多いようです。
昼食後はリハビリや入浴を行いますが、入浴はほとんどの施設で週に2回程度となります。入浴時には皮膚の状態や衣類の着脱の様子を職員が観察しており、自宅に戻った時の入浴が可能かどうかなども観察しています。
15:00頃 おやつ
お茶会などをしている老人保健施設もあります。要介護者同士で会話を楽しんだり、ゆっくりと過ごしたりと各自が施設内で自由に過ごします。
18:00頃 夕食
要介護者に合わせた介護で食事が終了すれば口腔ケアを行います。
21:00頃 就寝
夜間も要介護者の排泄パターンを把握し排泄介助を行います。定期的に事故などがないよう見回りをしています。
1日を通して起床・就寝時と食事前後にはトイレ誘導やおむつ交換など要介護者に合わせた排泄介助が行われています。
また定期的に医師の診察も行われ、医師と職員が状態を把握し投薬や注射、処置などを行います。
入所方法と入所の流れ
大体の入所の流れを説明します。
- 本人と家族から相談内容を聞く。
- 本人と家族が施設内の見学を行い入所への意向を確認する。
- 施設入所の際の必要書類を提出し申込書を提出する。
- 施設内で定期的に行われている入所判定会議で入所が決まれば担当のケアマネジャーや家族に連絡が入る。
- 施設の職員が自宅に来て契約を行い入所日を決める。
自宅から老人保健施設へ入所となる場合で、担当ケアマネジャーがいる場合は、ケアマネジャーが要介護者の利用していた介護サービスや現在の状況などの情報を老人保健施設側に提供することで、スムーズな入所ができるよう支援を行います。
また退所時も安心して在宅生活に復帰できるよう、老人保健施設側から在宅のケアマネジャーに情報提供やカンファレンスが行われ情報を共有します。
老人保健施設に入所する場合は在宅時の担当ケアマネジャーは一旦外れ、施設内のケアマネジャーに代わります。
また病院から老人保健施設へ入所する場合は、病院のケースワーカーや専門の職員が、入所先の案内や提案をする場合があり、その場合は入院時の情報を老人保健施設と共有することでスムーズに入所することができます。
まとめ
病院と家の中間施設である老人保健施設(後編)
老人保健施設での過ごし方
入所方法と入所の流れ