父親が亡くなりその父に借金がある場合、息子である方はその借金を返済しないといけないように思いますよね。でも息子さんが作った借金でもないのにどうにかならないものでしょうか?
どうもその 借金 を支払わなくてもよい 相続 放棄 という方法があるようですよ。ではその方法等をご説明します。
借金がある場合は、相続を放棄した方がよい?
相続放棄とは
父親の借金を返済しなくてもよい方法というのは、相続放棄というものなのです。相続放棄をすると借金を支払う義務がなくなります。
ですがその意味としては、その息子さんは始めから相続人ではなかったということになります。もちろん戸籍上の父親と息子という面では親子関係が消滅するというわけではありません。ただ相続といったことでは、その父親に相続人としての子は不在ということになるのです。
でもその息子が借金を免れるために相続を放棄すると、その借金はどうなるのでしょう。それは、亡くなった父親の父母や兄弟姉妹が背負うことになってしまいます。
結局誰かが負債を背負うことになりますので、相続放棄をする場合には、相続放棄を自分がすると誰がその負債を背負うことになるのかを考慮した上でその人たちと話し合う必要があります。
相続放棄の手続方法とは
では、相続放棄の手続きはどうすればよいのでしょうか。相続放棄をするためには、必要書類を家庭裁判所に届出なければいけないのです。さらにその承認も必要となります。
届出をする家庭裁判所は、亡くなった方の住んでいた住民票の届出がある場所を管轄している所です。
必要書類
相続放棄申述書・・・家庭裁判所に備え付けてありインターネットからも取得できます。
死亡の記載のある戸籍・・・除籍や改製原戸籍した謄本
- 死亡した方の住民票除票または戸籍附票
- 相続放棄を届出する方の戸籍謄本
- 収入印紙800円分
- 郵便切手・・・1,000円程度ですが、各家庭裁判所によって切手の額や枚数等が異なります。
上記のようなものが必要となりますが、さらに届出人が故人の相続人であるという証明のための戸籍書類等も必要になる場合があるようです。
手続きをすると
必要書類を届出ると「照会書」というものが家庭裁判所から届きます。その書類は、相続放棄を間違いなく自分の意思で決定したものであることやその理由等を回答するものです。
なお各裁判所によって照会手続の方法が違っています。省略する場合もありますが面談を要求されるというようなこともあります。
相続放棄が家庭裁判所に認められると
そして、相続放棄が家庭裁判所に認められると「相続放棄申述受理通知書」が送られてきます。この場合、家庭裁判所に相続放棄が認定されても借金の債権者にその内容を家庭裁判所が通知してくれるということではありません。
ですから債権者にご自分で「相続放棄申述受理通知書」を提示するか家庭裁判所で別に発行してもらえる「相続放棄申述受理証明書」をもらって相続放棄をしたことを伝える必要がありますよ。
相続放棄の期限とは
相続放棄には法律上の期限があるのです。民法第915条に「相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内」と決まっているのです。
借金のある父親が死亡してから3ヶ月以内には、必要書類を家庭裁判所に届出をしなければいけないということですね。四十九日が過ぎてから、手続きを始めるかなどと考えているとあっという間に3ヶ月が過ぎます。
できれば、葬儀が終了したらすぐに相続放棄をすべきかどうかを検討するべきです。ただ、特別の事情がある場合には救済手段もあります。
相続放棄を3ヶ月以内に決定できない場合には、相続放棄のための申述期間延長を家庭裁判所に申請するのです。そしてこれが認められれば、期間延長をしてもらえることがありますが、必ず期間を延長してもらえるとは限らないようです。ですから期限内に手続きは済ませましょう。
さらに注意する点としていったん相続を受けてしまったような場合、例えば故人の預金を使用したり、不動産を既に売却してしまったというような場合には、たとえ3ヶ月以内に負債がわかっても相続放棄をすることはできないのです。
相続放棄を検討した方がいい場合
借金だけでなく相続放棄を検討した方が良い場合には、次のような点もあります。
- 故人の財産が崖地や山林ばかりで資産価値がなく売却が難しいし、維持費がかかる場合
- 故人が誰かの保証人になっているおそれがある場合
- 故人と交流がなく、生活ぶりが不明で後から借金等が判明するおそれがある場合
- 相続争い等に巻き込まれたくないという場合
- 家長や本家等に財産を集中させ、相続させたい場合
まとめ
借金がある場合は、相続を放棄した方がよい?
相続放棄とは
相続放棄の手続方法とは
手続きをすると
相続放棄が家庭裁判所に認められると
相続放棄の期限とは
相続放棄を検討した方がいい場合