平成27年、相続税に関する法律が改正され増額の方向となり、相続税を支払う可能性のある人が、ぐっと増えました。このままでは、自分亡きあと家族が膨大な税金を払うことになるのではと不安に思っている人も多いでしょう。家族を守るため、 相続 対策 は可能な限り行いましょう。
相続税の上手な節税、納税対策を紹介します。
さまざまな節税、納税対策で相続を乗り切ろう
▽ 目次
相続人への生前贈与で節税対策
手軽にできる節税対策として、毎年110万円を超えない範囲で相続人に贈与していくという方法があります。110万円というのは、贈与税における一年間の基礎控除額だからです。
このとき、贈与を受ける人がきちんと「これは贈与である」と認識していなければ、贈与とはみなされません。これを防ぐため、一年ごとにきちんと贈与契約書を交わしておきましょう。税務署が調査に入ったとしても、あやふやな回答をせずに済みます。
特に配偶者への贈与で節税対策
20年以上連れ添った配偶者には、住宅や住宅取得のための贈与があった場合に2,000万円までが贈与税の控除対象となります。一生に一度しか適用されませんが、チャンスがあれば活用したいものです。
孫への生前贈与で節税対策
平成25年より孫への教育資金の贈与が非課税となりました。これは記憶に新しいでしょう。子ども一人あたり1,500万円までの贈与が非課税となります。学校の教育費の他、教材、制服、塾などへも活用が可能です。
たくさん贈与したら長生きが必須
生前贈与については、注意すべき点があります。相続開始日、つまり亡くなった日からさかのぼって3年前までに贈与を受けた財産については、相続税がかかってしまうのです。
ただしこれは、贈与税の配偶者控除を受けた財産、つまり配偶者の居住のための贈与は対象外です。子や孫に多額の贈与をするのは、元気なうちがいいようです。
マンションなど土地活用で納税対策
更地よりも、賃貸マンションなどを建設した方が、土地の評価額が3割ほど下がります。また、賃貸の場合は固定資産税や不動産取得税などでの優遇もあります。これを利用してマンションを建設し、さらに賃貸料を得れば、納税対策になるうえに現金収入にもなります。
マンション建設の際に多額の借金をする可能性がありますが、負債も相続の対象です。消極財産は相続財産から控除されるので、あまり不安になることはありません。
生命保険に加入して節税、納税対策
生命保険の受取金も相続税の対象です。しかし、生命保険には特別に控除枠が設定されており、500万円×相続人の数が非課税となります。支払う金額のことを考え合わせると、かなりの節税になるでしょう。
一方で、生命保険金が支払われれば、相続人があなたの死後すぐにまとまった現金を手に入れられることになります。これを相続税の納付にそのまま回せることを考えると、納税対策にもなるでしょう。
生命保険を相続対策に使う場合は、契約者を被保険者にしておかなければなりません。うっかり契約者を子どもなどにしておくと、当然のことながら相続財産とはみなされませんから注意しましょう。
また、受取人は相続人であればだれでも良いわけではなく、配偶者よりも子どもにしておいた方がお得です。配偶者には、配偶者であるだけで優遇措置が取られますから、他の相続人を受取人にしておいた方が効果的なのです。
遺言書をフルに活用して「争続」対策
相続税対策を行ったら、その内容を遺言書に反映させることが大事です。生前贈与を受けた相続人と、そうではない相続人とでは、相続財産の内容が違って当然でしょう。生前にあまり贈与を行わなかった相続人に対しては、相続の段階で手厚くしてあげなければ、不満が生まれてしまいます。
相続が「争続」とならないよう、公平性には十分気をつけて遺言書を作成しましょう。どうしても不平等さが否めない相続内容になったしまった場合は、付言事項に自分の気持ちを書いておくことが重要です。
どういった経緯で相続内容が決定したのか、誠実に詳細に書き込んでおけば、自分亡き後に大切な家族がもめることは避けられるでしょう。
まとめ
さまざまな節税、納税対策で相続を乗り切ろう
相続人への生前贈与で節税対策
特に配偶者への贈与で節税対策
孫への生前贈与で節税対策
たくさん贈与したら長生きが必須
マンションなど土地活用で納税対策
生命保険に加入して節税、納税対策
遺言書をフルに活用して「争続」対策