同じ会社に長年勤務していても、さまざまな理由により退職せざるを得ない場合があります。ベテランが抜けるのは会社にとって痛手なのですが、円満退職により以後は両者とも前に進めることになります。
その円満退職のためには正しい 退職願の書き方 が欠かせません。
円満退職のための正しい退職願の書き方
退職願と退職届
日本語には、よく似てはいるが厳密には意味が異なる言葉がたくさんありますが、退職願と退職届もそのひとつです。正しい退職願の書き方を紹介する前に、まずはその違いを説明しておきましょう。
願いとは、こうしてほしい・こうあってほしいと望むことです。つまり、退職願とは退職させてくださいと会社に対して望むものだと解釈していいでしょう。
対して、退職届とは、単に退職しますと一方的に通告するもので、そこには提出する側の強い意志がこもっています。
したがって、感情的な問題を別にすれば、退職願の場合は撤回することが可能なのです。一時は退職の意志を表明したものの、その後翻意して継続しようとしたとき、「願」ならその可能性を残しているということです。
よく似た言葉として他に辞表がありますが、これは役員や取締役の座にある人が辞任するときに用いるものです。一般社員は使いません。
白地の便せんに縦書きで丁寧に
退職願用の既製品はありません。基本的に、白地の便せんに自分で書きます。
ただし、自分が勤務している会社が指定している用紙やフォーマットがある場合は、それに従わなければなりません。あらかじめ、その点を確認しておく必要があります。
会社の指定がなければ一般的な書き方をします。筆記用具は黒のボールペン(サインペンも可)で縦書きというのが基本です。横書きでも必要な内容を満たしていれば問題はないはずなのですが、円満退職を望むなら余計な波風を立てず、ここは慣例を優先するべきでしょう。
同様に、パソコンで入力してプリンターで出力したものもNGです。面倒でも楷書で手書きし、書き損じたらすべてを書き直します。修正液の使用もNGです。
標準的な書き方は次の通り
では、具体的な内容を説明しましょう。
1行目は「退職願」です。書き出しを下げて、ほぼ中央に位置させます。
2行目は、行の一番下に「私事」、または「私儀」と書きます。
3行目以降が本文で、退職の理由と退職希望日を記入します。といっても、理由を詳しく説明する必要はありません。
「この度、一身上の都合により(家庭の都合でも可)、来る平成〇年〇月〇日をもって退職いたしたく、ここにお願い申し上げます」というのが標準的な書き方です。
〇月〇日と表記している退職日は、会社、または上司と話し合って決めます。業務の引き継ぎなどがあるでしょうから、自分だけで決めることはできません。
次いで、退職願を提出する日付、自分の所属部署、そして氏名を記入します。この部分の書き出しは本文より下げます。
また、自分の名前は、最後に記入する社長の名前よりも下になるようにします。
提出する日は、退職日の2週間以上前であることが原則です。
自分の氏名の下に捺印します。認印で構いませんが、シャチハタはNGです。
最後が届け出先です。会社の正式名称と社長の氏名を記入します。このときの社長の敬称は「殿」です。
封書は白無地の長形
退職願を記入した用紙を納める封書にも気を使いましょう。白無地を使うのは当然ですが、定型の長形が基本です。
表書は「退職願」、裏には所属部署と氏名を記入します。 のり付けして封をする必要はありません。記入が終わればすべてを読み返し、誤字・脱字がないかを確認した上で直属上司に手渡します。デスクの上に置いたままにすると礼儀知らずとみなされます。
まとめ
円満退職のための正しい退職願の書き方
退職願と退職届
白地の便せんに縦書きで丁寧に
標準的な書き方は次の通り
封書は白無地の長形