退職届は、人生のうちでそう何回も書く機会はありません。30数年、その会社一筋で勤め上げた定年退職であれば、なおさらですよね。だからこそ、マナーを守った美しい退職届を提出して「さすが」と思われたいものです。
きれいな去り際にするため、正しい 退職届の書き方 と出し方を学びましょう。もちろん定年ではない退職のときにも使えるノウハウです。
正しい退職届の書き方を知り、すがすがしく仕事を卒業しよう
▽ 目次
退職届はいつ出せばよい?
定年が近づいてきたからといって、また辞意を表明したからといって、総務などから「退職届を出してください」と促されるとは限りません。しかし、求められなくても退職届は提出すべき書類です。
まずは就業規則を確認し、退職届の提出に関する文言がないかを確認します。規則にあれば、それに従いましょう。みあたらなければ直属の上司に確認を取ります。
一般的には、「退職の意思は辞める一ヶ月前までに申し出ること」とされている場合が多いものです。申し出の際に、退職届をどうすべきか確認を取るとよいでしょう。上司に確認を取ったときに、もしかしたら「退職届は所定のフォーマットがある」と告げられるかもしれません。
封筒の表書きは「退職届」?それとも「退職願」?「辞表」?
まずは封筒を準備しようと思って、ふと表書きに迷うのではないでしょうか。会社を辞める場合、いくつかの表現が考えられるからです。
例えば「辞表」は、役職にある人が会社を退職するとき、または公務員が退職するときに使う表現です。また、「退職願」は、自己都合で退職をこいねがうときに使う表現です。「退職届」は、会社都合での退職の際に使います。
定年退職の場合は、自己都合での退職にあたりませんので「退職届」となります。安価な茶封筒は失礼にあたりますので、必ず白い二重封筒を使いましょう。本文用紙を三つ折りしてピッタリ入るサイズを選びます。
封筒の表に「退職届」と大きく記し、裏には手紙などでの差出人署名と同じ左下部分に、所属と氏名を書き入れます。
退職届の本文はどう書けばいい?定年退職の場合
退職届の本文用紙には、A4かB5の白無地用紙を縦書きで使います。書類管理がしやすいよう、その会社でスタンダードとなっているサイズの用紙を選びましょう。道具としては、万年筆での自筆が最上ですが、手持ちがなかったり書きにくかったりするならば、黒のボールペンで構いません。
ただし、便利なことから流行している「消せるボールペン」の類は使ってはいけません。長年にわたって残る書類ですから、通常のボールペンを使いましょう。
内容は、決まった形式はありませんが、定年退職であれば次のようにするとよいでしょう。就業規則の定年に達したことをシンプルに伝える内容です。
退職届
平成○年○月○日
株式会社△△△
代表取締役 △△△△殿
私事
このたび、来たる平成○年○月○日をもって満□歳となります。よって就業規則により、定年退職いたしますことを、ここにお届けいたします。
△△△部△△△課
署名、印
提出日については、就業規則で決められた日付があればそれに従い、なければ退職日よりも2週間ほど手前の日付を記しましょう。「私事」とは、自分自身のことを指し、「公事」の反対語として使われる言葉です。「私儀」が用いられることもあります。印鑑は、認め印でかまいません。
なお、社名を書くとき、(株)といった略字を使うのはマナー違反です。社内で日常的に使っていたとしても、退職届など正式な文書では「株式会社」としましょう。代表者の敬称は、「殿」でも「様」でも構いません。
退職願の本文はどう書けばいい?自己都合退職の場合
自己都合による「退職願」の場合は次のようにするとよいでしょう。通常、退職理由については詳しく書かないものです。
退職願
平成○年○月○日
株式会社△△△
代表取締役 △△△△殿
私事
このたび、一身上の都合により、平成○年○月○日をもって退職したく、ここにお届けいたします。
△△△部△△△課
署名、印
まとめ
正しい退職届の書き方を知り、すがすがしく仕事を卒業しよう
退職届はいつ出せばよい?
封筒の表書きは「退職届」?それとも「退職願」?「辞表」?
退職届の本文はどう書けばいい?定年退職の場合
退職願の本文はどう書けばいい?自己都合退職の場合