定年後の生活 はどうなるのだろうという不安を感じている人は少なくないでしょう。全身全霊を打ち込んで仕事をしてきた人が突然、その社会とは隔絶するのです。なにをすればいいかは自分で探さなくてはなりません。そんな人たちにヒントを提案してみました。
定年後の生活に不安を感じている人たちへ(前編)
仕事がないと寂しい
福沢諭吉は数々の名言を残していますが、そのひとつに次のようなものがあります。
「世の中で一番寂しいことは、仕事がないことである」
この言葉の中の仕事というのは広く解釈するべきでしょう。母親にとって育児は大切な仕事です。また、主婦であれば家庭を維持することが大きな仕事になります。
大黒柱である夫や父親の場合は、いうまでもなく文字通りの仕事です。それがなくなるのですから寂しいのは当然でしょう。しかし、それは誰もが経験する通過点です。この先20年も30も生きていくのですから、仕事のない寂しい生活を豊かなものにするための努力が必要になります。
仕事を続けるのもひとつの方法
家庭においても新聞やテレビのニュース番組で情報を仕入れ、仕事に役立てていた人も珍しくありません。1日の大半を仕事のために費やしてきた人たちです。新聞やテレビをチェックするのは習慣になっているでしょうから、突然中断するのは無理な話です。
そういうタイプの人には「退職後はのんびりと」などという目標は潔く諦めることをお勧めします。今の60歳代はまだまだ元気です。仕事をまだまだ続けられる、まだまだ続けたいという意欲がある人は再チャレンジすべきでしょう。
残念ながら、再就職先の間口がかなり狭くなるのは避けられません。現役時代と同じレベルの収入など望むべくもありません。
しかし、半減はしても収入が期待できますし、なによりも社会との関わりが継続されます。新しい勤め先で自分のポジションが定まれば、たくさんの人から必要されるようになります。そこに生き甲斐が発生します。
守りの生活に入るのはマイナス志向
定年退職した一部の人の中には、退職金と年金だけで生活するためひたすら消極的な1日を送るというタイプがいます。積極的に動けば経費がかさむし、無理のできない年齢なのだから体力を温存しておきたいという考え方のようです。いわゆる「守りの生活」です。
しかし、それはしばしばマイナスの結果を生んでいるようです。足腰を使うことをしなければ人間は体力をどんどん失い、1人では歩けなくなってしまいます。寝たきり状態予備軍といってもいいでしょう。
同様なことが頭脳の面でも発症します。人との関わりを断ち、テレビ相手の毎日を送っていると遅かれ早かれ認知症になる確率が高くなります。
生き甲斐を発見して活発に行動する。それがシニアライフを豊かにする最低の条件なのです。
まとめ
定年後の生活に不安を感じている人たちへ(前編)
仕事がないと寂しい
仕事を続けるのもひとつの方法
守りの生活に入るのはマイナス志向