「 墓じまい 」 とは、ご存じでしょうか?「お墓を継ぐ人がいない」「高齢のため管理ができない」などの理由からお墓を片付けることをいいます。それぞれの家庭の大切なお墓です。トラブルにならないように、十分に考えて行動しましょう。手順や方法をご紹介します。参考にして下さい。
円滑に進む墓じまいとは。手順や方法、教えます。
▽ 目次
兄弟、親族に相談して話し合う
まずは一番初めに、兄弟や親族に墓じまいをしたいことを理由も合わせて説明しましょう。
なかには、理解を得られない場合があるかもしれません。しかし、最も大切なことです。遠方の親族にも、連絡をとるよう心掛けてください。今後遺骨をどこに納骨するかも含めて、十分に話し合い同意を得てください。
寺院や霊園に墓じまいをしたい意思を伝える
寺院でのお墓の場合は、特に早めに相談しましょう。寺院は、先祖代々ずっと供養を続けてきてくださっています。単なる管理人ではありません。いきなり「墓を移したい」と決定事項として切り出されると、寺院側もとまどってしまいます。
ましてや墓じまいには、必要な書類をこれまでの墓の管理先にお願いする場合があります。最後まで、礼を欠くことがないように気をつけましょう。
また、寺院側との関係がこじれてしまうと、高額の離檀料を請求されるトラブルも発生しています。離檀料は菩提寺を離れる際、寺へのお礼として支払うものです。
しかし一般的には、これまで各家庭で行ってきた1回の法要で支払う金額が多いようです。無用なトラブルを避けるためにも、寺院には早めにご相談ください。
公営や民間の霊園の場合には、市町村が発行する改葬届や移転先の受入証明など書類が必要になる場合もあるようです。詳しくは、お墓の管理先にお問い合わせください。
複数の石材店から見積もりをとり、石材店を決定する
墓じまいをするには、墓石を撤去するだけでなく、墓所を整地し更地にしたうえで返却しなければなりません。作業をお願いするのは、石材店です。その墓地専属の石材店がある場合もあるので、まずはお墓の管理先にお問い合わせください。
しかし見積もりは必ず、複数の石材店から取るようにしてください。お墓のそばまで車や重機が入らないような細い道や階段がある場合は、金額が高くなります。石材店は工事以外にも、遺骨を取り出すときの作業も行うので、明細金額はしっかりと確認しておきましょう。
改葬許可書・遺骨引渡証明などの手続きをする
取り出した遺骨の移転先が、新しい別の墓や永代供養墓、樹木葬・桜葬などにする場合には「改葬許可書」が必要になります。申請には、現在の墓がある場所を管轄する役所に必要書類を提出します。
必要書類は市町村によって違いますが、これまでのお墓の管理者の署名捺印や改葬先を記入することが多いようです。
また、海外に遺骨を持っていく場合や散骨、ダイヤモンド葬、自宅安置する場合には、「遺骨引渡証明書」を申請することをお勧めします。
遺骨引渡証明書は、お骨をどこから持ってきたかという証明になります。書類の提出には、これまでのお墓の管理者の署名捺印が必要なことが多いようです。遺骨引渡証明書は、将来的にお墓に埋葬する際にも必要となります。
日程を決め、遺骨を取り出す
宗派によっては、法要などを営んでから遺骨を取り出します。 墓石を撤去して整地し、更地にして返却します。取り出したお骨を移転先に納め、各所に支払いを終えてようやく終了となります。
ここまで早くても、1か月と言います。急ぐとトラブルにもなりかねません。じっくり時間をかけて、もれがないように注意してください。
家族にとって一番の選択を
墓じまいは人によっては、違和感を持った親族間での関係がこじれることも大いにあり得ます。しかし、参る人もいなくなり草が生い茂り無縁仏になってしまったら、ご先祖様は喜ぶでしょうか?どうか、ご先祖様を大切に思う気持ちを忘れずに、ご家族にとって一番良い選択をしてください。
まとめ
円滑に進む墓じまいとは。手順や方法、教えます。
兄弟、親族に相談して話し合う
寺院や霊園に墓じまいをしたい意思を伝える
複数の石材店から見積もりをとり、石材店を決定する
改葬許可書・遺骨引渡証明などの手続きをする
日程を決め、遺骨を取り出す
家族にとって一番の選択を