「遺産分割協議書が必要になったときに困らないためのひな形(前編)」では、一般的な遺産分割協議書のひな形についてお伝えいたしました。
後編では、相続人に未成年がいる場合や相続財産に債務がある場合の 遺産分割協議書 の ひな形 はどのように記載するべきなのかお伝えいたします。
遺産分割協議書が必要になったときに困らないためのひな形(後編)
相続人に未成年がいる場合の遺産分割協議書のひな形
相続人に未成年者がいる場合は、未成年者が遺産分割協議に参加してつくられた遺産分割協議書は無効となります。
未成年者の場合は、未成年者の数だけの特別代理人が必要になります。未成年者の親権者である者は、相続財産に対して未成年者と相反する立場にあるので、利益相反行為となり親権者は未成年者の代理人としては認められません。
未成年者の住所地の家庭裁判所に「特別代理人選任申立書」を提出して、裁判所に代理人を選任してもらいます。遺産分割協議は、未成年者の特別代理人を含めて話し合いを進めていきます。
遺産分割協議書のひな形としては、未成年者の相続人の下段に、相続人何某の特別代理人として氏名を署名し、実印を押印します。
相続財産に債務がある場合の遺産分割協議書のひな形
相続財産に債務があった場合に、共有するならばそれぞれの負担分、また誰かが単独で負担する場合も同様に、借入先、金額などを、内容部分の最後に記載をします。
プラス財産よりも債務のほうが多い場合は、相続人になったと知ったときから3カ月以内に相続放棄の手続をとると、相続人でないことになりますので、債務の負担を負うことはありません。遺産分割協議に参加することはできません。
相続財産の遺産分割協議はほかにもいろいろケースがあります。例えば、数次相続の場合、または、不動産を特定の相続人が相続し、そのかわりにほかの相続人に現金で相続分の調整を行う代償分割などがあります。
その都度、ひな形としては変わってきますが、標準的なひな形に少しずつ手を加えるような形になります。ひな形の記載例を紹介しているサイトは数多くあります。また、遺産分割協議書のひな形も無料でダウンロードすることができます。
遺産分割協議書作成の注意点
協議書はWORDで作成しても構いませんが、後々トラブルが起きないように、相続人の氏名は必ずそれぞれの相続人が自筆で署名をしましょう。遺産分割協議書は相続人の人数分作成して、それぞれの相続人が各自保管をしておきます。
協議書が複数ページのときは、それぞれのページに相続人全員の割印を押す必要があります。
遺産分割協議書は詳細に具体的に、また正確に記載されている必要があります。後から出てくるとトラブルの原因になりますので、相続人の財産を全て調べる必要があります。
相続人が全てわかればよいのですが、被相続人が亡くなって初めてわかった相続人がいたりする場合もあります。遺産分割協議の前に調べないといけません。大変な作業です。
このようなことから、それぞれの相続人が納得できる遺産分割協議書を作成するために、弁護士などの専門の方にご相談されることをお薦めします。
まとめ
遺産分割協議書が必要になったときに困らないためのひな形(後編)
相続人に未成年がいる場合の遺産分割協議書のひな形
相続財産に債務がある場合の遺産分割協議書のひな形
遺産分割協議書作成の注意点