「知ってますか?あなたの健康保険料(前編)」では、健康保険料がどのように決まるのかご説明いたしました。後編では、 健康保険料 を含む社会保険料のメリットや問題点についてご説明いたします。
日本の健康保険制度は素晴らしい制度です。
知ってますか?あなたの健康保険料(後編)
社会保険加入でどのようなメリットがあるの?
このように毎月のように費用負担をしなければならない社会保険料ですが、「負担が多いから払いたくない!」ということで払わないことはできるのでしょうか。
まずサラリーマンの場合ではほぼ不可能でしょう。なぜならば「5人以上の従業員を抱えている事業所」については「社会保険強制適用」というルールがあるため、自分の都合ではまず難しいでしょう。
では自営業者などで見てみますと可能ですが、万が一になった際には非常に面倒なことになります。そこで社会保険加入のメリットについて見ていきたいと思います。
①健康保険料の負担が半分であるため、自己負担が少ないという点、②万が一被保険者の死亡の際には遺族年金がでる、という点があげられます。
面倒な保険料負担ですが、何があるかわからない中で、費用を少なく保証でき、将来的には年金をもらえる権利などを持つことができるため、加入することは非常に重要であると感じます。
また仮に病気で会社を休んだ際の傷病手当金や大きな手術などで費用が発生した場合に負担額の一定額をバックする高額医療制度に基づく一部額の返還も健康保険料のメリットであると感じます。
考えなければならない?社会保険料の問題点とは?
みなさんが何気なく病院に通って負担している診察料は実際に払わなければならない金額の3割なのです。そう考えると非常にありがたい制度ではあるのですが、この社会保険料に今問題が出てきています。それは「財源の確保が危機的状況を迎えている」という点です。
有名な話で、「日本は世界一の借金大国」であると聞かれたことがあるのではないでしょうか。財務省が発表しているデータによると、平成28年度に於ける日本の年間予算は96兆7,218億円と算出されております。そのうち社会保険にかかる予算は約32兆円と算出しております。
この社会保険にかかる予算負担は年々増加しており、平成2年と比べてみると、約12兆円ほどだったところから約3倍になってしまったのです。
これは少子高齢化が続伸してしまったことと、高齢者の方が病院に行くほどどこも悪くないのに病院を訪れるという行為が続出していることもあり、本来病院にかからないといけない方々の費用負担以上の無駄が発生していることが原因ではないかと言われております。
一方で日本の場合税収が全く増えていないのです。実はバブル期の平成元年をピークに、日本の税収は下降をたどっております。近年は改善してきたものの、財源がないため、今の社会保険制度が維持できなくなる可能性があります。
社会保険料の一部も立派な納税となりますので、みなさんもその点は考えていかなければなりません。
健康保険は素晴らしい制度です。しかし自身でも対策を!
日本の健康保険制度は世界中が賞賛する素晴らしい制度なのです。みなさんが何気なく利用しているこの制度は世界的に見ても日本くらいなのです。ですのでその点は感謝しなければなりません。しかしながら昨今日本の少子高齢化が進んでいることもあり、税収の減少が進む可能性があります。
そして社会保険料の増額の可能性もありますから、その点を踏まえて自身の「万が一」のためにも資金を準備しておいたほうが良いでしょう。
例えば普通預金だけでなく株式や債券などの金融商品の運用から、年金保険など活用した運用も一つでしょう。日本人は特に「金融リテラシー」に欠けていると言われております。自身にあった資金配分や運用を行い、万が一があっても対応できるようにするべきでしょう。
まとめ
知ってますか?あなたの健康保険料(後編)
社会保険加入でどのようなメリットがあるの?
考えなければならない?社会保険料の問題点とは?
健康保険は素晴らしい制度です。しかし自身でも対策を!