お葬式に参列する際に遺族の方に対してお悔やみの気持ちを表す挨拶の言葉として最もよく使われているのは「ご愁傷様です」という言葉です。しかしこの ご愁傷様 という言葉は少し固いイメージで使いづらいと感じることもあります。お 葬式 での 挨拶 の言葉について考えます。
ご愁傷様が定番?お葬式の挨拶を考える
ご愁傷様の意味
ご愁傷様という言葉の成り立ちを考えます。愁という文字は愁(うれ)えるとも読みとても悲しく思うという意味です。愁傷となることで痛みを持つ相手の気持ちを思いやりとても気の毒に思うという意味の言葉になります。
その言葉の頭と末尾に敬意を表す御(ご)・様という語がついていることから最上級の敬意を表しています。
大切な人を亡くして悲しんでいるご遺族を気遣い、心を重ねてお悔やみの気持ちを表す時に使う言葉としては最もふさわしい言葉だといえます。そのためお葬式での挨拶として多くの人が認知し、実際に使っている人も少なくないはずです。
ご愁傷様に変わる言葉
お葬式の挨拶の定番ともいえるご愁傷様という言葉ですが、堅苦しくよそよそしい感じがするため親しい間柄で使うと少し違和感を覚えることもあります。また当然普段使い慣れていない言葉なのでぎこちなくなってしまいよけいに気持ちが込めづらいと感じることもあります。
そのため何かほかの言葉はないかと悩むこともあります。「ご愁傷様です」以外のお悔やみの言葉を考えるのであればストレートに「お悔やみ申し上げます」が最も使いやすい言葉です。
もう少しくだけた感じであれば「本当に残念です」や「突然のことで驚きました」などという言葉で気持ちを伝えることもできます。いづれにしてもお通夜やお葬式の際に遺族に対して長々とした挨拶をするのは禁物なので、そっと短い言葉で想いを伝えることが大切です。
また悲しみや緊張で言葉に詰まってしまっても決して失礼にはなりません。そんな時は心を込めて一礼するだけで気持ちは伝わります。
使ってはいけない言葉
お通夜やお葬式の場で悲しんでいる遺族に対して「元気をだして」や「頑張って」など励ましの言葉をかけるのは避けた方が賢明です。
何か言葉をかけてあげたいという気持ちから発した言葉であったとしても、悲しみの中にある遺族にとっては元気をだして頑張るなどということはとうてい耐え難いと感じられ傷ついてしまったり、気丈にしなければならないと必要以上に気持ちを追い込んでしまう場合がありますので気を付けたいことです。
何か特別な言葉を探すよりもありきたりでも「ご愁傷様です」と小さく一言添えるほうが、たとえぎこちなくなってしまったとしても失敗することはありません。
また「重ね重ね」や「またまた」など不幸が重なることをイメージすることから使わない方が良いとされている忌み言葉にも注意すべきです。
ご愁傷様に返す言葉
参列者から「ご愁傷様です」と挨拶をされたら遺族としてはどう対応すれば良いのかというのも悩むところです。遺族側は必ずしも参列者ひとりひとりに何か言葉を返さなければいけないということはありません。悲しみや疲労から言葉が出ないこともあり得るのでただ頭をさげるだけでも十分です。
それでも何か言葉を返したいと思うのであれば「恐れ入ります」という言葉が一般的です。これも普段あまり使い慣れていないとなかなか出てこない言葉です。
「ありがとうございます」という言葉を使うのには賛否両論があります。
お悔やみの場では避けた方が良いという考え方もありますが、わざわざ時間をつくって弔問に来てくれたことに対して感謝の気持ちを伝えるという意味合いで実際には多くの人が「ありがとうございます」という言葉を使っています。
言葉より心
お葬式というのは遺族も参列者も悲しみや慌ただしい思いの中で臨むことが多いものです。不慣れなことも多く気を使いますが、あまりにも非常識にならないように注意すれば形式にとらわれ過ぎなくても大丈夫です。
一番肝心なのは亡くなった方に対する想いです。最後にきちんとお別れをして静かに送り出してあげようとする気持ちを持つことが大切です。
まとめ
ご愁傷様が定番?お葬式の挨拶を考える
ご愁傷様の意味
ご愁傷様に変わる言葉
使ってはいけない言葉
ご愁傷様に返す言葉
言葉より心