介護保険を利用したいと思う被保険者は要介護・要支援認定の申請をしなければなりません。その際の認定申請書の主治医記入欄に書き込まれたかかりつけ医に市町村は被保険者の疾病または負傷の状況と医学的な意見を求めます。
この主治医 意見書の書き方 についてみてみました。
介護認定でますます重要な役割を果たす意見書の書き方とは
意見書はどう使われるか
主治医意見書は①傷病に関する意見②過去14日間に受けた特別な医療③心身の状態に関する意見④生活機能とサービスに関する意見⑤特記すべき事項などについて記入するようになっています。
意見書は一次判定でも使われますが、主として二次判定で使われます。
その観点は①第二号被保険者の特定疾病の確認②通常より介護の手間がかかるか、かからないかという介護の手間の程度や状況の確認③医療分野の専門家でない訪問調査員による訪問調査の結果の確認と修正④要支援2と要介護1の割り振りとなっています。
2015年の医療・介護総合確保推進法による介護保険法改正に伴って、主治医意見の内容は介護予防・生活支援サービス事業で各種サービス利用の際の計画作成にも利用されるようになりました。
従来、介護サービス計画作成に利用されていましたので、その利用の幅が広くなったと言えます。
基本的な注意事項
申請者の氏名の下に意見書を介護サービス計画作成に利用することの可否を問う項があります。申請者本人の同意は申請段階で確認されていますので、主治医に守秘義務に関する問題は生じませんし、介護支援専門員に医療情報を提供するという観点から、同意を原則とします。
医療機関の名称・所在地をゴム印やパソコンを使用して記入して場合、医師の氏名は自著してください。印鑑は不要とされています。
傷病に関する意見では日常生活活動の低下、生活機能低下を引き起こしている要因を具体的に書くことが求められています。また、薬については、睡眠・排泄・疼痛などの生活と介護に影響する薬がある場合に服薬管理や見守りの必要性などの留意点を書いてください。
特別な医療の項では、作成日から過去14日間に看護職員等が行った医療補助行為について書いてください。医師が看護職員等と同様に行ったケースも含みます。看護をどのくらい必要としているかということを把握するための項目であると理解されるといいでしょう。
心身の状態に関する意見では平成21年度から調査員の項目から幻聴・幻視・暴言・暴行・火の不始末・不潔行為・異食行動が除外されましたので、主治医の意見が重要視されています。
同様に同年度から、拘縮・褥瘡・皮膚疾患・飲水の項目も調査員の調査項目から除外されたことにも留意して取り組んでください。
生活機能とサービスに関する意見では平成21年度以降に医学的管理の必要性という項目が新たに追加されています。
その他特記すべき事項では、申請者固有の介護の手間があることを具体的に記入してください。生活機能の状態や家族環境・栄養の状態・リハビリの状況などで介護度の判定やケアプランやサービスを受ける上で重要だと考えられる事柄を具体的に記載してください。
とりわけ注意したいこと
傷病に関する意見の診断名は医学的にみた重症度ではなく、介護の負担度を優先するという観点が必要です。介護の負担の大きい認知症であるとすると、介護認定を受けるという観点からは他にも疾病があってもいの一番に記入すべきだということです。
続いて、症状の安定性の項では症状がどの位の期間現状を保てるのか、悪化するのかということを問われていると考えるとよいでしょう。それに伴って、近い将来、申請者がどのような生活や医療のサポートを必要とするようになるかというようなことを記載すると欄であると考えてください。
高齢者の場合、認知症でなくても精神疾患があると介護の負担が大きくなるために要介護と認定されることもあると言います。同様に認知症でなくとも認知機能の低下があれば、それをきちんと記入するといいでしょう。
最後の特記すべき事項の欄には、医学的な専門用語を並べるのではなく、申請者の疾病が引き起こす今後の生活の問題点を具体的に述べる姿勢が必要です。介護にどれほどの負担がかかるのか、もしくは介護がないとどのようなリスクがあるのかということを具体的に書くといいでしょう。
まとめ
介護認定でますます重要な役割を果たす意見書の書き方とは
意見書はどう使われるか
基本的な注意事項
とりわけ注意したいこと