現在ヒヤリハットを含めた介護事故は社会問題となりつつあります。ヒヤリハットとは人的エラーがあったが、被害が生じなかったケースに使われる言葉です。
今回は実際のヒヤリハットや 介護 事故 について事例を含めご説明いたします。
ヒヤリハットを含めた介護事故
訪問介護での介護事故
介護保険サービスの一つである訪問介護は、ヘルパーが自宅に訪問し利用者のニーズに沿ったサービスを行います。ご本人ができない買い物や調理などをヘルパーが行うことで要介護者が日常生活を円滑に過ごせるようになるためのサービスです。
調理ではご本人の嗜好などもあり、好みに合った味付けや調理法で調理を行いますが、まれに火が通りが悪かったり、焦げがあるなどの連絡が事業所にあるそうです。
焦げがある場合も大変ですが、火が通っておらず要介護者の体調が悪化すれば大変なことになりますね。
人に食べていただくための調理なので細心の注意をしながら調理を行っているはずですが、自分の家で調理をするわけではなく、火加減や調理器具などの違いから絶対に起こらない事故ではありません。
やはりきちんと対応策をとる必要があります。火加減に注意をしながら調理を行い、レンジで加熱をするというのも対応策の一つです。
またサービス内容の中にはトイレへの誘導がある場合もあります。
要介護者に歩行障害がある場合には、最初に看護師やリハビリスタッフからの誘導方法などの指導を受けて誘導することにはなりますが、要介護者の歩行状態が常に同じではありませんし体調も日によって違います。
指導方法に沿った歩行の付き添いを行っていても、転倒事故は起こることがあります。見極めなどは医療行為をしてはいけないヘルパーにとってはとても難しいことです。
しかしいつもと違うということを少しでも感じたなら、事故を防ぐために無理なトイレ誘導は行わず家族やケアマネジャーに連絡をとり助言や指示を仰ぐことが大切です。
デイケア・デイサービスでの介護事故
介護事故のほとんどは転倒と言われています。
デイケアやデイサービスはその規模により要介護者の受け入れ人数とスタッフの人数が決められており、もちろんマンツーマンで見守りを行える状況ではありません。
デイケアやデイサービスは半日のみのサービスもありますが、大半が朝から夕方までの長時間のサービス提供になり、その間に食事や入浴の提供があります。
食事では嚥下障害から窒息という事故も考えられますし、入浴時は血圧の変動が大きいことでの体調の変化もあれば入浴に伴う動作時の事故なども考えられます。
また入浴時はフロアー内のスタッフの数が手薄になった時などに要介護者が一人で動こうとして、転倒事故に発展してしまうなど事故の可能性は高くなります。
ショートステイなどの施設での介護事故
ショートステイを含む施設での事故は、その場所が日常生活を過ごす場であるためにどうしても事故発生の確率が高くなりますね。
特に認知症の方の行動は予想がつかないこともあり、事故の可能性も高くなります。
要介護者がなぜこの場所に自分がいるのか理解ができない、もしくは理解できたとしても忘れてしまうことで不穏な状態になることがありますし、不穏な状態から他の要介護者とトラブルを起こす可能性があります。
そして自分の部屋やベッドの認識ができず、トイレに目覚めその後スタッフに気付かれず、他の要介護者の部屋に入ってしまったり、他の要介護者の物を自分のものだと勘違いしご自分のカバンにしまったために、他の要介護者の紛失事故につながったりする可能性もあります。
事故を防ぐために必要なこと
事故を防ぐためには、事故のリスクが高い要介護者をスタッフ間で認識しておくことが重要です。毎回スタッフ同士での申し送りを徹底して行い、要介護者は毎回同じ状況ではないと認識しておく必要がありますね。
そして家族とトラブルにならないためにも、家族からの申し送り事項を職員間で認識し、サービス事業所側からも家族にサービス時間内にどのような介護を行い対応したかを報告することが大事です。
ご本人を含め家族とサービス事業所間での信頼関係が成り立っていないと、介護事故ではないことが介護事故に発展することもあります。
例えば自分のことを伝えることが難しい要介護者にあざなどを家族が発見した場合は、家庭で何もあざが残るようなことが発生していなければ、事業所内で何か事故があったのかと疑われることもないとは限りません。
しかし普段からきちんと報告などをすることによって信頼関係が成り立っている場合には、スタッフにあざのことを相談したとしてもいきなり疑われるようなことは少ないと考えられます。
まとめ
ヒヤリハットを含めた介護事故
訪問介護での介護事故
デイケアやデイサービスでの介護事故
事故を防ぐために必要なこと