介護タクシーという言葉を聞いたことがありますか。実は介護タクシーには介護保険制度を利用した介護タクシーと制度を利用しない有償の介護タクシーの2種類が存在します。
今回は、 介護 タクシー について詳しくご説明します。
介護タクシーと福祉タクシー違い
介護タクシーを利用する状況と2種類の介護タクシー
高齢者になると一人で外出するのが困難になります。また自宅の環境により、家の周りに坂道が多いことや、通院先が少し遠いなどの理由があり歩いて目的地に行くことが難しいこともでてきます。
そのような時に同居家族が車で送迎してくれる環境にある要介護者は、介護タクシーを利用する必要がないかもしれませんが、同居家族が日中仕事をしているため不在の要介護者や同居家族が車を運転できないなどの理由でどうしても外出の際に車が必要な要介護者は外出が困難です。
高齢者でも一人である程度身の回りのことをできる高齢者や要介護者は、普通のタクシーを利用されていることでしょう。
しかし普通のタクシーを利用するのには、タクシーを呼び独りでタクシーに乗り降りできることが必要であり、介護が必要な高齢者には適していません。
通常のタクシー運転士は介護を勉強していないため、要介護者の乗り降りの際に適切な介護ができず、けがをさせてしまう可能性があります。
そこで介護タクシーという選択肢があります。介護タクシーには介護保険を利用した介護タクシーと介護保険制度を利用しない高齢者であれば誰でも利用ができる介護タクシーの2種類があり、後者の方は福祉タクシーという名称があるのですが、実際にはどちらも介護タクシーと呼ばれていることが多いようです。
介護保険を利用した介護タクシー
介護保険を利用した介護タクシーは、保険の制度を利用するためケアマネジャーと相談し他の介護サービスと調整をしながら利用を進めていきます。
介護保険を利用するために必要な介護保険計画書という通称ケアプランに、介護タクシーが必要な理由が明記され、介護タクシーを利用することで生活が円滑に行われることを認識し計画に沿って介護タクシーの利用をすることになります。
また介護保険を利用するのですから、誰でも利用できるわけではありません。
介護保険を利用する対象者は要支援者と要介護者という2種類の要介護者にわかれますが、要介護1からの利用となり要支援者は利用することができません。
また公の介護保険を利用するのですから、散歩や買い物などの私用を目的とした外出では利用ができませんし、通院の帰りに買い物に行きたいと思ってもそのような利用の仕方はできません。
また介護サービスは1か月ごとに利用するサービスが票となって作成されており、利用する各事業所に配布されているため、急な利用は原則できないことになっており、利用したい状況が発生したとしても、空きがなければ利用することができません。こちらは普通のタクシーを利用したとしても同じです。
そして介護タクシーと普通のタクシーの違いですが、介護タクシーの運転士は介護についての勉強をしており、ヘルパー2級以上の資格を持っていないと介護タクシーの運転士はできないことになっています。
車いすの操作の方法や歩行の付き添いなども勉強されているため要介護者にとって安心です。
介護保険を利用しない福祉タクシー
介護保険制度を利用する介護タクシーとは違いこちらの福祉タクシーは制約がほとんどありません。しかしこちらの福祉タクシーを利用するとしても、ケアマネジャーに相談しておいた方が安心です。
ご本人の身体状況に変化があった時などは、ケアマネジャーが福祉タクシーの事業所に伝えることができますし、運転士が気付いたことをケアマネジャーに報告してくれることで、新たな課題が発生した場合ケアマネジャーが要介護者にとってよりよい計画を組むことができるからです。
また介護タクシーと違って全ての方がヘルパーなどの資格を持っているわけではありませんが、福祉タクシーではストレッチャーや車いすを利用することが想定されているため、その取扱いについて勉強しており、大抵の運転士はヘルパーなどの資格を持っています。
そして介護保険を利用するタクシーとの違いが、潤いある生活をおくることに利用できるということです。洋服を買いたい、紅葉を見に行きたい、友人と会いたいなどの利用もできるので、外出が好きな方にとってはとても頼もしい存在になります。
実際に福祉タクシーをたびたび利用することになると、大抵はその方をよく知っている運転士が来てくれますので、よい関係を築くことで送迎時が楽しい時間となります。実際に馴染みの運転士との会話を楽しみにしている要介護者が大勢います。
最近は高齢者による車の運転事故も問題となっていますので、安全に移動するための手段として、福祉タクシーの利用は選択肢の一つとなります。
まとめ
介護タクシーと福祉タクシーの違い
介護タクシーを利用する状況と2種類の介護タクシー
介護保険を利用した介護タクシー
介護保険を利用しない福祉タクシー