利用者への虐待報道によってたびたび問題になっている介護の仕事ですが、同時に働いている方の社会的地位の低さが問題として扱われています。なぜ介護の仕事は社会の底辺として扱われてしまうのでしょうか?
介護 の仕事が社会の 底辺 と言われる3つの理由についてご説明します。
介護職は本当に底辺?介護士が底辺と言われる3つの理由(前編)
給料が安い
仕事とは自分の行った労働に対して賃金をもらうことを目的としています。そのため、給料の高さがそのまま社会におけるその職業の地位になってしまうのです。介護士の給料は施設の方針や役職、雇用形態などで異なりますが、平均で月給手取り15~17万円前後だと言われています。
一方、こちらも所属している会社の雇用形態や役職などによって変動がありますが、一般的なサラリーマンの平均月給は20~25万円前後だと言われていますので、一般的なサラリーマンと比べても給料の手取りが少ないのがわかります。
新卒の時に手取り15~17万円前後というのは実は決して悪い金額ではないのですが、新卒時の給料からほとんど給与アップすることがないためベテランや管理職の方でも給料が大きく変わらない点や給料の金額の割に業務内容が過酷であるという点も介護士が底辺と呼ばれる原因の一つになっています。
誰にでもできる仕事という勘違い
よく介護士に対して「誰にでもできる」という言葉を聞くことがあります。しかし、これは介護の仕事に対して実際の現場がみえていないための言葉なのです。そして、こういった勘違いの認識が介護士は底辺という認識を生み出してしまっています。
実際には施設の利用者の食事や入浴、排せつの補助や身体介助の他に担当の利用者の行動パターンやくせ、好きな食べ物、薬の種類などを記した利用者の観察記録、介護をするうえで必要なオムツなどの消耗品の在庫管理、摂取水分量や排出水分量、排泄物の状況の記録、レクリエーションの企画や運用とレクリエーションの記録、アルバムの作成、利用者の誕生日プレゼントの用意などやらなければいけない仕事はたくさんあります。
これらの仕事には確かに誰でもできるようにみえる仕事も含まれていますが、専門的な知識や技術がなければできない仕事もたくさんあります。例えば前述した利用者を車いすやベッドへ移動や寝返りをうたせる身体介助などはまさに専門の技術や知識がなくてはできない仕事です。
このように専門性が高いにもかかわらず誰にでもできる仕事としてみられがちになってしまう理由には働いている方以外からは施設の利用者の世話という一見すると家政婦やお手伝いさんのような誰でもできるイメージのある表面的な部分しかみえてこないことが「誰でもできる」という誤った認識を生んでいるのだと思われます。
また、介護士に殉じている方の中には中卒や高卒などのいわゆる低学歴の方が比較的多くいることや昨今の介護士員の虐待に関する報道によって介護に携わる方の人間性が低いと捉えられがちになってしまったことも介護の仕事は誰にでもできる仕事として捉えられてしまう原因になっています。
まとめ
介護職は本当に底辺?介護士が底辺と言われる3つの理由(前編)
給料が安い
誰にでもできる仕事という勘違い