介護サービスを提供している間に介護事故が起こった場合、「事故報告書」として記録を残します。
「介護事故」とは、介護サービス中に利用者が転倒してけがをしたりするなど利用者に損害が発生した事をいいます。事故報告書では事故の起こった時の状況を記載し、その原因や今後事故が起こらないための対策についても書かれます。
介護 サービスにおける 事故報告書 についてまとめました。
事故報告書って何?介護サービスにおける事故と報告
事故報告書とは
事故報告書とは、介護の現場で介護事故が起こった時の記録のことです。
現場で「事故」として扱う事は転倒・転落など利用者に損害が生じた事柄の全てで、事故報告書は実際に介護事故が起こってしまったことに対する報告書です。
事故報告書では、転倒・転落・異食・自傷他害など事故のうちの何に当たるかということと、事故の状況・事故原因・今後そのようなことが起こらないための対策などを記載します。
これは介護職員間で共有されるものです。事故報告書の書き方ですが、事故の状況についてはその場にいた介護職員等の中で事故に関わった人が書きます。
事故が起こった時、利用者や介護職員が何をしようとしていたか、その時何が起こったか、転倒の時にどちら側から転倒しどこを打ったか、またその直後の血圧など健康状態についても記載されます。
この時気を付けるべきことは、第三者が読んですぐに状況が分かるように簡潔に表現されていることです。
事故原因については記録者が思い当たる点を書きますが、事故報告書は全体で振り返りを行います。介護職員間全員でもう一度事故原因について考えて練り直し、今後の対策については全体で意見を出し合ってまとめます。
事故にならなかった場合はヒヤリハット
また、事故に至らなくても、事故になりそうになった事例については「ヒヤリハット」として扱われます。ヒヤリハットでは事故になりそうだった状況の報告と、考えられる事故と事故が起こらないための対策について書きます。
事故が起こった時には必ず事故報告書を作成しますが、ヒヤリハットに関しては気付いた介護職員がなるべく作成して今後の対策に活かすことが望ましいとされています。
また施設によっては落薬などについてヒヤリハットを作成することもあります。落薬とは服薬するべき薬が落ちているのを発見したりした場合に作成します。
本人が薬を落としてしまったりして飲まない薬があった時はヒヤリハットとなりますが、誤ってほかの人が薬を飲んでしまった場合などは事故としての扱いになります。
介護の現場で起こりやすい事故
介護の現場で起こりやすい事故は転倒・転落です。高齢者は下肢の機能の衰退が多いため、歩行にはとても注意が必要です。足元に障害物があって転倒することや、車いすに座るときの姿勢が悪いために車いすから転落するなどが多いです。
転倒や転落には特に注意し、段差や障害物はなるべく歩行する場所には少ないようにして、それがある場合には声掛けや見守りをきちんと行いましょう。
また、認知症の高齢者の場合異食などの事故もあるため、普段から利用者のことをよく知り、介護職員間で気を付けるべきことを共有していることが必要となります。
事故報告書以外での事故の報告
事故報告書は市町村に提出しますが、事故が起こった時は家族等に連絡します。また担当のケアマネジャーにも報告しておくことが望ましいです。事故が起こった時はなるべく早く詳細を関係者に伝達することが必要となります。
事故による後遺症が残る可能性がある他、事故が起こったことにより本人の気持ちが不安定になることも多いのでケアに関わる人はそれを踏まえて本人と接することが必要となってきます。
事故の情報を共有するために事故報告書の作成は非常に重要です。
まとめ
事故報告書って何?介護サービスにおける事故と報告
事故報告書とは
事故にならなかった場合はヒヤリハット
介護の現場で起こりやすい事故
事故報告書以外での事故の報告