要支援・要介護の認定を受けた高齢者が、本人や家族の希望に沿った介護サービスを受けることができるように作成される介護サービスの利用計画書をケアプランと呼びますが、介護度別にどのような ケアプラン の 事例 があるのかみてみましょう。
介護度別のケアプランの事例
要支援1の事例
脳髄膜腫摘出後、下肢の筋力が低下したAさんは要支援1と認定された夫と二人暮らしの高齢者です。夫は認知症のため要介護1の認定を受けています。利用者は足の筋力をつけて食材の買い物に出たいと希望し、同居している夫は転倒予防に留意してほしいと願っています。
アセスメントにおいて、外出する機会も少なく、スーパーまで歩いて行くことが困難であること・もともと両膝と肩に痛みがあって関節の動きに制限があることなどが見えてきました。また、夫が認知症のために買い物などを代わってすることもできないという事情もわかってきました。
そんなAさんのケアプランは週1回の訪問介護と住宅改修による室内の手すりの取り付けを組み合わせたものです。
訪問介護では買い物・掃除機操作・風呂掃除・ゴミ出しなど関節の可動域に問題を抱えるAさんを支援するケアプランとなっています。
要介護1の事例
物忘れがあるBさんは要介護1と認定された一人暮らしの高齢者です。利用者は楽しい時間を持ちたいと希望し、同居していない家族は通所サービスを利用して、脳に刺激を与えてほしいと願っています。
アセスメントにおいて、清潔を保ちたい・自宅でいつまでも元気で過ごしたい・人と交流したいという生活全般の課題が見えてきました。
そんなBさんのケアプランは週に2回の通所介護と訪問介護を組み合わせたものです。
通所介護に通う朝にまず、訪問介護をうけます。通所介護を続けられるように、当日の朝の支度を見守り、手助けします。
通所介護では入浴介護も受けるようにして、体の清潔を保てるようにします。衣類の着脱や洗髪・洗身の見守りや介助も必要に応じて受けることができます。
6~8時間の通所介護ではレクレーションや筋力トレーニングなどを通じて、筋力の維持をはかり、いつまでも元気で自宅で過ごすという目標を目指します。また、他の利用者との交流を図ることで孤立感を減少するとともに、会話量を増やして脳の活性化を図ります。
要介護3の事例
脳梗塞・高脂血症・高血圧のCさんは要介護3と認定された夫と二人暮らしの高齢者です。利用者は足腰が弱って外に出られず生活の全てを夫に頼っているので、少しでも良くなりたいと願っています。夫は脳梗塞の再発がないように希望しています。
アセスメントにおいて、病状の安定化を図りたい・下肢の筋力低下を防ぎたい・自力で起き上がりと立ち上がりができるようになりたいという生活全般の課題が見えてきました。
そんなCさんのケアプランは週に3回の通所介護とベットとベット柵のレンタルという福祉用具貸与を組み合わせたものです。
通所介護ではバイタルチェックに留意し、病状の把握と細かな体調の変化に早期に気づくことに努めます。また、歩行訓練を見守ることにより、下肢の筋力をつけることと体重のコントロールを図ります。
ベッドとベッド柵を導入することにより、開閉式のベッド柵を利用して徐々に自分で立ち上がることができるように努めます。
要介護5の事例
寝たきり状態にあるDさんは気管切開・胃瘻造設を受けていて要介護5と認定されている妻と二人暮らしの高齢者です。利用者は在宅での生活を強く望み、妻も同様に考えています。
アセスメントにおいて、全身状態の医学的管理を受けたい・風邪をひかないようにしたい・尿路感染症や褥瘡の予防をしたい・体の清潔を保ちたいなどの生活全般の課題が見えてきました。
そんなDさんのケアプランは医療保険による訪問看護と福祉用具貸与・訪問入浴・ショートステイと呼ばれている短期入所を組み合わせたものです。
胃瘻をしているので、注入時に坐位が保てる特殊ベットとベット柵、また、褥瘡予防のために体位変換が楽に行えるパットなどの福祉用具貸与を受けます。
週1回の訪問入浴では体の清潔を保つと共に、褥瘡予防のために皮膚の状態をチェックしたり、排便の確保のためにマッサージを行ったりします。そのため、週3回予定している訪問看護の1回を訪問入浴時に当てます。
寝たきり状態になると、どうしても四肢に拘縮が出てきがちなので、訪問看護の機会にリハビリを兼ねたマッサージを受けます。
居宅時の主たる介護者であるDさんの妻の負担の軽減とリフレッシュを図るために、ショートステイを随時組み入れていきます。
まとめ
介護度別のケアプランの事例
要支援1の事例
要介護1の事例
要介護3の事例
要介護5の事例