「高齢者のレクリエーション活動と目的(前編)」では、高齢者のためのレクリエーションの目的についてご紹介致しました。後編では、高齢者のためのレクリエーションの大切さ、また認知症向きのレクリエーションについてご紹介致します。
レクリエーション は、 高齢者 とスタッフがコミュニケーションをはかるための時間でもあり、生きがいにもつながる時間です。
高齢者のレクリエーション活動と目的(後編)
レクリエーションの大切さと事例
レクリエーションには様々な種類があります。集団で行うものには歌・体操・ビデオ鑑賞・軽スポーツなどがあり、個人で行うものでは将棋・囲碁・カードゲーム・麻雀などがあります。
集団で行うゲームに嫌悪感を示す高齢者もいますが、囲碁や将棋、カラオケなどには喜んで参加することがあります。
そして高齢者夫婦の夫が要介護状態となったときに、常に夫婦二人で家にいると妻の介護負担はかなり重いものとなりますが、夫がデイサービスやデイケアを利用することで妻の息抜きになったり、買い物などの外出を安心して行うことができます。
しかし男性の場合、デイサービスやデイケアの利用を拒否することがあります。
そういったときにその男性が介護状態となる前にどういった趣味を持っていたかを聞きとり、その趣味につながるレクリエーションを行っているデイサービスやデイケアを勧めることで、最初は拒否をしていた高齢者も興味を示し利用につながることがあります。
普段リハビリや体操にはあまり参加をしたがらない高齢者でも、レクリエーションの風船ゲームやピンポン玉を使用したゲームなどには夢中になって参加していることもあります。
また自宅にいるとついアルコールを飲んでしまう高齢者が、麻雀ができるのならとデイケアを利用するケースもあります。
カラオケが好きな人は常にレクリエーションでカラオケを取り入れている施設を利用することで、利用日が待ち遠しく家で新曲を練習したり、高齢者同士で歌詞カードを交換したりということもあります。レクリエーションはただの遊びではなく生きがいにつながる大事な時間となっています。
認知症向きのレクリエーション
認知症がある高齢者は、その認知度にもよりますが、ゲームなどのルールの理解が難しいことと、集中力が持続できないことがあるため、15分程度で区切りながら簡単なルール設定で行うことが大切です。
また集団でのレクリエーションが難しい場合は、塗り絵や工作なども認知症のケアにつながりますし、本人が好きなことや得意なことを聞き出し、レクリエーションの選択をすることも重要です。
また音楽を聴くことは精神的にもリラックスできますし、認知症の緩和にも効果があると言われています。童謡や演歌など本人が好きな音楽をかけながら、一緒に手拍子をしたり歌詞カードを見ながら歌うことも脳への刺激となります。
そして認知症の心理療法で行う回想法も有効で、子供の頃に行っていた遊びや生活道具の話を聞いたり実践したりするという簡単なものです。
認知症の高齢者の特徴ですが、新しい記憶はなくなっても、昔のことはよく覚えています。昔のことを思い出すことで、現在の不安な状態や混乱状態を一時的に忘れ、癒される時間へと変わることもあります。
お手玉やコマ遊びを教えてもらったり、昔の道具が載っている写真集を一緒に見ながら説明をしてもらったりすることは高齢者とスタッフがコミュニケーションを図ることができ、楽しい時間を共有することにもつながります。
まとめ
高齢者のレクリエーション活動と目的(後編)
レクリエーションの大切さと事例
認知症向きのレクリエーション