人は日々、年をとっていきます。元気に暮らしていた自分の親も、この先いつか自力での暮らしが難しくなる時がくるかもしれません。そんなとき、ぜひ知っておきたい介護施設に 特別養護老人ホーム があります。最も気になる 費用 について、詳しくお伝えします。
来るべきその日のために 特別養護老人ホームの費用を知ろう
特別養護老人ホームって何?
特別養護老人ホームとは、介護が日常的に必要になった高齢者が、自宅での暮らしが困難になったときに入居できる老人施設のひとつです。
通称、特養と呼ばれています。国内には、平成26年3月時点では7,982の施設に約52万人が入所しています。
必要なお金 介護サービス費
特別養護老人ホームは、地方公共団体や社会福祉法人などによって運営されている公的な施設です。そのため、入所時の一時金は必要ありません。入所後、月額費用として支払いが発生するのは、大まかにわけると介護サービス費と生活費です。
介護サービス費は、介護度によって金額が変わります。介護度が上がるにつれ、金額も上がります。
また、居住している地域によっては地域加算が、入所する施設の設備やサービスによっては、介護サービス加算が発生することもあります。しかし、介護サービス費の自己負担金額は1割です。
必要なお金 部屋代
必要な経費の中で最も慎重に選択したいのが、入居する部屋です。 特別養護老人ホームは、施設全体でそれぞれの入所者の介護を行う「従来型」と、入所者10人程度を1つのまとまりとして介護する「ユニット型」に分類されます。
そして居室のタイプは、いわゆる相部屋のようにひと部屋に数人で生活する多床型と 天井と隙間がある壁で仕切られたゆるやかな一人部屋である準個室と完全な個室があります。
入所する施設や部屋のタイプによって、「従来多床型」「従来型個室」「ユニット型準個室」「ユニット型個室」に分かれます。部屋代は、よりプライバシーが守られる個室のほうが高めに設定されています。
しかし、ここでよく考えてください。一旦入所したら、高齢者の肉体的精神的な安定のためにも施設や部屋の変更は避けなくてはなりません。
特別養護老人ホームの場合、他の入所者にもいろいろな事情があります。痴ほう症状による徘徊や、夜中の大声の叫びなどがみられることもあるようです。部屋選びは特に、慎重にしてください。
必要なお金 雑費
介護サービス費や部屋代、食費などはあらかじめ設定されているので、計算しやすいものです。意外と頭を悩ませるのが、実費負担することになる雑費です。レクリエーションにかかる費用や持病や緊急時の医療費、理美容代、新聞代などさまざまにあります。
オムツ代は施設利用料金のなかに含まれていますが、雑費がどの程度かかるかについても入所前に確認しておきましょう。
一体トータルではいくらかかるのか
大まかな目安では、従来型は介護保険料、食費、部屋代などを含めると7万円~10万円、ユニット型では10万円~15万円が相場のようです。親の年金だけで賄えるでしょうか?特養にかかる費用は、入所者本人と配偶者や子供など主たる扶養義務者が負担することになります。
もし、所得が少ない場合には、食費や部屋代が軽減される「介護保険負担限度額認定」が利用できる場合があります。また両親ともに介護や病気を患っている場合にも、状況によっては負担を軽減できる制度があります。詳しくは市町村の窓口にお問い合わせください。
受けられるサービスや医療行為もチェックしよう
特別養護老人ホームは、補助金や助成制度が受けられるため、民間の有料老人に比べてお得にサービスを受けることができます。ただしサービスの内容は食事や入浴、排せつなどの介護と掃除、洗濯などの生活援助が中心となり、医療行為については限定的なものとなります。
入所すると終の棲家になるかもしれない、特別養護老人ホームです。あらかじめ予約すれば、見学が可能なところがほとんどです。電話や資料だけでは確認できない臭いや雰囲気、職員の対応など、しっかりチェックしてください。
まとめ
来るべきその日のために 特別養護老人ホームの費用を知ろう
特別養護老人ホームって何?
必要なお金 介護サービス費
必要なお金 部屋代
必要なお金 雑費
受けられるサービスや医療行為もチェックしよう