介護を取り巻く課題として、人手不足や老老介護、介護離職などが取り上げられていますが、新しい課題として、「 介護 うつ 」が注目を集めています。介護うつとは一体どのような状態を言うのか?介護うつを予防するにはどうしたらいいのか?を考えます。
介護の新しい課題「介護うつ」を防止するには(前編)
介護うつとは?
介護を取り巻く社会問題は数多くありますが、介護うつの症状は介護をする側の約25%にその症状を見ることができます。
家族だけではなく介護を職業とされている方にも発症しているケースがあり、重症化してしまうとその方も何らかの介護を必要とする心身の状態へと陥ってしまうこともあります。
また、介護が終わった後から症状が出てくる場合もあるので、介護に直面している方は、「介護うつ」という症状があることを自覚し、ご家族や施設の方と積極的に声を掛け合ってコンディションを確認しあうことが望ましい姿だと言われています。
介護うつの原因と言われている介護ストレス
介護うつに陥る原因で最も多いものが、介護に対するストレスです。厚生労働省の調査でも介護にストレスを感じると答えた割合が60%に達し、次いで自分の病気や介護、家族間の人間関係と続きます。
家族で介護が必要な方が出た場合、仕事を辞めて貯金を切り崩しながら生活している、と言うお話は決してニュースの中の出来事ではなく、経済的なプレッシャーが重くのしかかっていると感じている方は90%にも達しています。
介護をしている側、介護をされている側、双方にとって介護は自分自身を不安にしてしまうものであることが分かります。
責任感の強い方も介護うつになりやすい
介護は時として、責任感が重くのしかかってきます。社会制度や産業としての介護が発達し、専門の施設が職員が増えておりサービスの種類も広がりました。今や社会のインフラとして必要不可欠なものとなっています。
これだけ環境が整い、プロに任せることができるようになったのにも関わらず、「親の面倒を施設に任せるのは無責任」に感じててしまい、自分で頑張ってしまう方は介護うつ予備軍です。
施設の力を活用することで、離職をする必要がなくなった、自分の事を片づける時間を作ることができるようになったなど、介護うつを回避することにも繋がっていきそうです。
話し相手がいないと介護うつのリスクが高まる
介護に関わる生活が始まると、目の前の出来事に対応していくことで精いっぱいとなってしまい、社会からかけ離れた存在に感じる時がでてきます。この孤立感、疎外感が介護をする方にとって大きな負担となり、会話すらする機会がなくなったと実感してしまいがちです。
また、話相手がいたとしても、相手を気遣ってしまい介護のことを話せずにいると、やはり介護うつへと進んでしまうでしょう。
自分の現状を気軽に話ができる方として、施設のヘルパー、ケアマネージャー、民生委員、など施設にも沢山いらっしゃいます。遠慮することなく、少し話を聞いてもらうだけで随分と気が晴れることと思います。
まとめ
介護の新しい課題「介護うつ」を防止するには(前編)
介護うつとは?
介護うつの原因と言われている介護ストレス
話し相手がいないと介護うつのリスクが高まる