「歩行器」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。歩行器とはその名前の通り歩行を補助するためのものです。歩行器にはいろいろな用途・使用者がありますが、ここでは高齢者の 介護 で使う 歩行器 について解説します。
介護で使う歩行器って何?介護保険は使えるの?
高齢者と歩行
高齢者に一番よくみられるのが下肢の衰退です。年齢を重ねると歩きづらくなり、歩くと痛みを感じるため歩く機会が減っていくことが多いです。
この原因として多いのが筋肉量の減少です。筋肉の減少や骨粗鬆症によって歩かなくなることでだんだん歩行能力が減退して、家の外に出る回数が減り、認知症や寝たきりの原因となることも多いです。
また、歩くことが難しいために家に閉じこもる機会が多くなると認知症の発症や進行のおそがあります。
歩行機能の維持は高齢者の体や脳の機能の維持と密接な関係があるといえます。
下肢筋力の維持
歩行が困難になる前に心がけることがいくつかあります。基本的には日常的に歩くなどして習慣をつけることと、下肢の筋肉を維持する体操をすることです。市などが行っている介護予防サービスなどを利用して体操教室などに通ってみましょう。
また、介護保険を使ってデイケアなどで専門的な治療・トレーニングを受けることもおすすめです。デイケアとはリハビリを行う通所介護のことで、理学療法士などがその人に合わせた体操や機能訓練を行ってくれます。
デイケア以外にも、リハビリに特化したデイサービスはたくさんあるので、高齢者自身が楽しく通えると思うところを探してみましょう。
歩行器とは
歩行器とは、歩行をたすけるためのものです。シルバーカーやウォーカーとも呼ばれます。
杖と比べてより体重をかけやすいものです。歩行の状態によって歩行器の種類は変わってきます。使う人に合わせた体重をかけやすい歩行器がより安全といえますが、杖歩行ができるうちはなるべく歩行器に頼らないようにしましょう。
歩行器によって歩くのが楽になるのと同時に、楽をすることで下肢筋力の低下を招く恐れがあるため、適度に足を動かすことができる歩行器が理想的です。
歩行器を使うには
歩行器を使うには介護保険を使ってレンタルする方法が一般的です。歩行器など介護のために必要な用具は「福祉用具」と呼ばれます。「福祉用具販売」として認められたものは介護保険を使って1割負担で購入できますが、歩行器はこれには含まれません。
購入の場合は介護保険は使えませんが、レンタルなら介護保険を使うことができます。介護保険を使わずに全額自分のお金で購入することもできますが1万円を超えるものが多く高額です。
福祉用具貸与というサービスがあり、介護保険を用いて1割または2割の自己負担で利用することができます。これを利用できるのは要介護1以上の認定を受けた人です。貸与金額はレンタルをしている事業者によって異なります。
歩行器をレンタルする時には専門家が見てくれます。この資格を持つ人は福祉用具専門相談員です。福祉用具専門相談員は一定の研修を受けて認定された人で、個人に合った歩行器の種類、高さや使い方を教えてくれます。
歩行器を使う時の注意
歩行器を使うことはとても便利で安全ですが、杖と歩行器の両方を使える場合調子が良さそうな時にはなるべく杖で歩く機会も設けましょう。自分の力で歩くことが一番大切なことです。歩行器を使って歩く場合も、歩く時間をなるべく多くするように心がけましょう。
また歩行器の種類や使い方によっては、通常の歩行よりもかなりのスピードがでるものがあります。
歩行器にはブレーキがあり、認知症のある方はブレーキをかけることを忘れがちなので危険につながることもあります。どのタイミングでブレーキをかけるか、習慣がつくまでそばにいる人が声をかけるなどして安全に使いましょう。
まとめ
介護で使う歩行器って何?介護保険は使えるの?
高齢者と歩行
下肢筋力の維持
歩行器とは
歩行器を使うには
歩行器を使う時の注意