介護保険を利用する上で、 介護 目標 をたてることは非常に重要です。介護保険のサービスには色々な業種があり、介護保険を利用する利用者に対しそれぞれの業種で目標をたてますが、その目標は担当ケアマネジャーが利用者に提案し設定する目標が基本となっています。
介護サービスを受ける上で重要な介護目標(前編)
介護計画書と介護目標
介護保険サービスを受けている利用者には、必ず担当ケアマネジャーが介護計画書というものを作成しています。
その介護計画書にはなぜそのサービスを利用するのかという必要性や、利用者の課題が明記され、それぞれの課題に対しての目標が設定されており、ケアマネジャーとサービス事業所は一体となり利用者の支援を行っています。
そしてこの計画書というのは、短期目標と長期目標に分け設定しており、それぞれの期間で目標がクリアできているかという評価を行っています。
そして目標がクリアできていない場合は、何が原因なのかまた目標設定自体に問題があるのかなどを検討し、再度目標設定を行います。利用者や家族にこの目標設定の大事さを認識してもらうことは、ケアマネジャーの大きな役割の一つです。
一人暮らしで買い物にいけない利用者の介護目標例
一人暮らしで重い荷物を持つことができないため買い物に中々行けず、調理ができないため栄養不良となっている利用者がいるとします。
この利用者への支援には様々なアプローチがありますが、利用者が何を一番に望むかにより利用する介護サービスの選択がかわります。
買い物には行きたいが重い荷物を持てないために、買い物に行けないという場合もあれば、買い物自体を支援してもらいたい場合もありますし、また栄養状態を改善するために食事を支援してもらいたいなど利用者の希望は様々です。
ケアマネジャーが利用者から生活状況を聞き取りながら、利用者にとって必要であり最善と思われるサービス内容の提案を行うことで、利用者自体が気づかなかった問題点がみえることもあります。
この利用者にはまず栄養状態の改善が必要だと判断した場合、週に2回訪問介護を利用しながら買い物と調理の支援を行うことにします。短期の目標を3ヶ月、長期の目標を6ヶ月に設定した場合、3ヶ月後の目標設定は栄養状態の改善です。
栄養状態を改善するために、訪問介護のヘルパーと一緒に食事内容を見直しまた献立のメニューの提案なども行います。そして主治医と連携をとり、目標設定の栄養状態の改善ができているかなどの確認を行い必要な助言などをもらいます。
6ヶ月後は買い物の支援があれば、調理は一人で行えるよう目標設定します。買い物と調理の支援では1時間半の支援が必要ですが、買い物だけであれば支援時間も短くなります。
またヘルパーは家政婦ではないので、買い物だけの支援となった場合も、利用者との会話から栄養状態が悪くなっていないか、食生活が改善できているかなど確認します。
そして食事以外に困っていることがないか、新たに困っていることが発生していないかなどの確認も行い必要な場合はケアマネジャーに報告します。
そして長期目標が終了するころには、利用者と訪問介護の事業所とケアマネジャーがカンファレンスと呼ばれる話し合いを行います。
カンファレンスでは目標がクリアできているか話し合い、クリアできている場合は新たな目標の設定や今後のサービスの必要性の有無についても検討し、利用者がサービスの必要性がなくなったと判断し、ケアマネジャーや訪問介護事業所もサービスを利用せず、安全に生活ができると判断した場合はサービスが終了となることもあります。
しかし実際には一人暮らしの利用者は不安が多く、生活状況や体調が悪化していたとしても気づかないことが多いので、サービスが終了となるケースは少ないのが現状です。
後編では、骨折後車いす生活となった利用者の介護目標例についてご紹介致します。
まとめ
介護サービスを受ける上で重要な介護目標(前編)
介護計画書と介護目標
一人暮らしで買い物にいけない利用者の介護目標例