40歳 といえば人生のターニングポイントといってもよい年齢です。そしてそれを具体的に感じさせるできごとのひとつが、 介護保険料 の納付の開始です。
では介護保険料の納付は強制的な義務なのか、納付はどのようにすればよいのか、そして一体いくら納付しなければならないのか、について説明します。
40歳で誰もが当事者!強制開始される介護保険料の納付
日本国民なら40歳になれば全員が加入義務
私たちが個人で加入する民間の生命保険や自動車保険は任意であり、必ず加入しなければならないというわけではありません。
一方、介護保険は国が決めた制度で、国民なら40歳になれば誰もが必ず加入する義務があります。保険料の徴収は40歳になると開始され、理由なく支払いを拒否することはできません。しかしこれは同時に40歳に達したら自らも介護保険を利用できるということも意味します。
いわゆる老齢による衰えに対する介護サービスは65歳以上からしか受けることができません。しかし、特定疾病と呼ばれるガンやリウマチ、脳梗塞や早期の認知症などにより介護を必要とする状態になった場合には、40歳以上から介護保険の制度を利用できるのです。
40歳というのはそうしたリスクが現れ始める年齢という言い方もできるかもしれません。
背景にある高齢化の進行
ところでこのような強制的な制度が施行された背景には、世界で最も急速な高齢化の進行という事情があります。
1960年代には5.7%だった高齢化率は1995年には15%に迫り、1997年には国会で介護保険法が成立、そしてついに高齢化率17.3%となった2000年、この介護保険制度の実施がはじまりました。
日本にとって高齢化は、法律で義務化してまで対策しなければならないほどの深刻な課題となったのです。
介護保険料は自動徴収
「介護保険料を納めなければならないが、方法がわからない」。40歳の誕生日を目前にしてそのような不安を抱いているとしたら心配は無用です。介護保険料はたとえばサラリーマンの場合、会社で加入している健康保険の保険料とともに自動的に給与から天引きされるからです。
自営業の人などが加入している国民健康保険の場合も、いままでは健康保険料だけの納付書だったものが、40歳からは健康保険料と介護保険料がセットになった納付書が届くので、例年通りその金額を納付するだけです。
ひとつ気を付けておくべきなのは、1日生まれの人です。実は誕生日当日ではなく誕生日前日が属する月からが徴収開始月となるため、1日が誕生日の人は39歳最後の月から徴収が始まるのです。
また、会社によっては給与から保険料を天引きするタイミングが異なることがあります。例えば当月の保険料を翌月の給与から天引きする会社の場合には実際には誕生翌月から天引きが開始されることになります。もちろん、この場合にも1日生まれの人は誕生当月からの開始となります。
配偶者(扶養家族)との年齢差で生じる徴収義務
40歳未満でも介護保険が徴収されるケースがあります。たとえば扶養家族である配偶者が40歳の誕生日を迎えた場合です。一般的にはあくまでも給与を得ている本人が40歳に達した時点からの徴収開始となりますが、会社の属する健康保険組合によっては徴収するところもあるからです。
独身で一人暮らしなら問題ありませんが、例えば年上の相手とまもなく結婚する予定がある場合などは、こうしたことも了解しておくべきでしょう。
40歳を迎えるとき気を付けること
介護保険は全国一律ではないローカルな保険で、居住地域によって保険料に違いがあります。これはその地域の保険料収入と給付支出のバランスで決まるためで、地域差は2倍以上もあります。
たとえば40歳を迎える前に引っ越しをするとしたら、こうした条件も住所を検討する際の要素になりえます。また、介護保険料は世帯年収に応じて徴収されるので、まだ一定の収入のある両親と同居しているような場合には、世帯を分けたほうがいいということも考えられます。
「40にして惑わず」といわれる年齢ですが、私たちが現実の40歳を前にしたとき、惑わずといえども熟慮すべきことはまだたくさんあります。介護保険料の徴収開始はそのきっかけを与えてくれるものかもしれません。
まとめ
40歳で誰もが当事者!強制開始される介護保険料の納付
日本国民なら40歳になれば全員が加入義務
背景にある高齢化の進行
介護保険料は自動徴収
配偶者(扶養家族)との年齢差で生じる徴収義務
40歳を迎えるとき気を付けること