介護保険の在宅サービスの中でも自宅から外出し、施設へ通ってリハビリテーションや日中の時間を過ごす場所があります。デイサービスと言われる通所型のサービスです。
介護施設などで行われているリハビリテーションには機械を使ったリハビリもあれば集団で行うレクもあります。
デイサービスで行うレクの種類や目的、サービス提供者が 高齢者 の身体的な理解を含めた レク の工夫すべき点をご紹介します。
高齢者が楽しめるレクリエーションの工夫
▽ 目次
介護保険で利用する通所介護(リハビリテーション)とは
介護保険法における通所介護は、利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるよう、リハビリテーションを通じて心身機能の維持・向上、家族の介護負担の軽減が目的です。
介護保険施設(通常、デイサービスやデイケアと呼ばれます)への通所目的は利用者により様々ですが中でも多いのが身体的・認知機能面の維持・向上をはかるためのリハビリ目的です。
提供されるリハビリテーションには、利用者1人とリハビリの専門職(理学療法士や作業療法士など)により個別に受けるリハビリもありますし、集団で行うレクリエーションによるリハビリテーションも提供されます。
自宅から施設への通所サービスなので、自宅から施設までの送迎は施設側が担当します。
規則正しい生活リズムの構築、専門職のサポートによる心身の機能維持や変化の観察と対応など、それぞれの利用者が目的をもって通所しますが一番の目的は自宅でよりよい生活を営むためにリハビリテーションをどのように取り入れるのかという点です。
レクリエーションの種類
集団で行うレクリエーションにも種類があります。
脳トレーニングは、文章を見て考える、手先を使って文字を書くという一連の作業が行えます。思考の訓練と指先の訓練が一連のリハビリになります。計算問題や漢字の問題など、利用者の希望にあわせてチャレンジします。
絵を描く・ぬり絵をすることも想像力と個性がより伸びやかになるレクリエーションです。同じ絵であっても、その時に感じている思いが色合いに反映され趣がある作品になります。
音楽を使って身体を動かすリズム体操は、昔懐かしい歌謡曲や童謡などを使うとより効果的に参加ができます。利用者の身体的な障害を考慮しながら、身振り手振りで簡単に身体機能を活性化させることができます。
ペットボトルや風船を使ったレクリエーションは、道具を用いることで次はどんな動きがあるのかという興味を持ちやすいです。
ルールも簡単なものから難しいものにすることで、利用者や職員との一体感が生まれます。一対一のリハビリとはまた違った達成感や利用者同士のコミュニケーションを活性化させる目的が、レクリエーションにはあります。
「こんな幼稚なことはしたくない!」利用者の思いとは
職員側の思いとは少し違う視点もお話したいと思います。このレクの最大の難しさは、参加したくないという利用者の思いをどのように理解するかです。
とくに男性の利用者において「こんな幼稚なことをしたくない」と参加拒まれることがあります。歳を重ねるということで周囲との人間関係を構築することが更に難しく思ってしまう気持ちや自分はまだこんなことをするような状況じゃないと思う気持ちを職員側が理解する姿勢が求められます。
レクリエーションという言葉から、どうしても幼稚なイメージが先行してしまうこと、集団でわいわいすることが苦手な利用者もいることはなんら不思議なことではありません。
楽しむことにプラスアルファーするためにサービス提供者側が工夫するポイント
誰のためのレクリエーションなのかを今一度、考えないといけません。集団レクの狙いを利用者に理解してもらうような働きかけが必要です。
そのために、利用者の生活歴を知ることはその利用者を理解することにつながります。どこで生まれ、どんな幼少期を過ごしてきたのか、どんな仕事をしてきたのかなど、一見すればそれを聞いてどうするのか?と思うような過去の話に耳を傾けてみましょう。
どのように生きてきたかということを知ることで興味あることを模索し、レクの中で1人1人の適切な役割を提供することができるからです。
加齢や病気により、不自由になる身体的な部分やうまく気持ちを伝えることのできないもどかしさがある時に、過去のできた自分と今それができない自分という断片的な比較をするのではなく「今のあなたにできること」を共に考え、提供することでよりよい生活の質を提供する一部を担えることと思います。
まとめ
高齢者のレク~施設で提供するレクリエーションの工夫~
介護保険で利用する通所介護(リハビリ)とは
レクリエーションの種類
「こんな幼稚なことはしたくない!」利用者の思いとは
楽しむことにプラスアルファーするためにサービス提供者側が工夫するポイント