年金を受給していた方が死亡した場合は、受給権利が消失するため届出が必要となります。しかし 死亡 したときに受け取っていない 年金 や、死亡後に振り込まれた年金のうちの死亡した月までの年金については未支給年金として遺族が受け取る権利があります。
今回は遺族年金と未支給年金について説明をいたします。
年金加入者が死亡したときの手続き
年金を受け取ることのできる遺族
年金を受け取っていた方が亡くなったときに、亡くなった当時に生計を共にしていた遺族で下記に当たる方は遺族年金を受け取ることができます。また受け取る順番も下記のとおりになります。
- 配偶者
- 子供
- 父母
- 孫
- 祖父母
- 兄弟姉妹
- 1~6以外の3等身の親族
遺族年金を受け取るための提出書類と方法
死亡届出と未支給年金請求の届出が必要となり、死亡の届出は亡くなった方の年金証書と、死亡の事実を明らかにできる書類が必要です。死亡の事実を明らかにできる書類とは、戸籍謄本・市区町村長に提出した死亡診断書のコピー・死亡届の記載事項証明書などが該当します。
また未支給年金請求の届出では、亡くなった方の年金証書・亡くなった方と請求する方の関係が確認できる書類・亡くなった方と生計を共にしていたということがわかる書類(住民票の写し)・受け取りを希望する金融機関の通帳が必要となります。
また亡くなった方と請求する方が生計を共にしておらず、別世帯の場合は「生計同一についての別紙様式」の添付が必要となります。提出先は年金事務所または街角の年金センターです。平成27年10月5日から希望者のみですが、住民票に個人番号の記載が可能となっています。
しかし日本年金機構では現在、個人番号の利用ができないため、請求などに関する添付書類(住民票など)については、個人番号の記載のない用紙での提出となるためご注意ください。
遺族年金とは
遺族年金は大きく3つにわかれます。最も多いのが会社員の加入する厚生年金加入者が死亡したときの遺族厚生年金になります。厚生年金へ加入して5年以内に死亡した場合、その加入者と生計を同一していた遺族に対し支払われます。
遺族基礎年金にプラスされる形で支払われ、遺族範囲も遺族基礎年金より対象が広くなります。遺族基礎年金は18歳未満の子がいない配偶者に支払われませんが、遺族厚生年金は子がいない配偶者にも支払われることが特徴です。
しかし支給条件があり、死亡した月の前々月までの加入期間の2/3以上保険料が収められていない場合や、死亡した前々月までの1年間に未納がある場合は支給条件から外れてしまいます。
そして自営業の方が亡くなった場合には、遺族基礎年金が支払われることになりますが、60歳から65歳未満で死亡した場合に支払われることになります。
加入者と生計を同一としていた18歳未満の子がいる配偶者とその子が遺族基礎年金の支払い対象となり、子がいなければ支払われません。
遺族基礎年金も支給条件があり死亡した前々月までの年金加入期間の2/3以上の保険料が納付されていない場合や、死亡した前々月までの1年間に未納があれば支給対象から外れてしまいます。
また公務員の方が亡くなった場合ですが、この場合は遺族共済年金が支払われることになりますが、遺族厚生年金とは支給金額が異なるだけであり、支払い条件などは同じとなります。
未支給年金とは
年金は請求しないと受け取ることができません。しかし年金をもらえる権利は誕生日を迎えることで自動的に発生することになります。老齢基礎年金ですと受給要件が整っていれば4月に誕生日を迎えると5月から年金の支払いが始まることになります。
しかし年金を請求する前に死亡してしまうケースもあります。65歳で受給する権利が発生して請求の手続きをせずに66歳で死亡したケースでは、1年間は受給できる権利はあったことになります。
しかし支払う相手がいないために払えない状況となり、未支給年金と言います。そして年金制度の大きな特徴として、後払い制度ということも未支給年金が発生する原因ともなります。
年金を受け取っている方が10月に亡くなった場合は、年金の受給権利は10月まで発生するのですが、年金は後払い制度のため12月に支払われることになり、実際12月には本人が死亡しているため、本人に支払うことができないということになります。
もちろん請求すれば受け取ることができますが、本人がいないため遺族が請求することになります。忘れずに手続きを行いましょう。
まとめ
年金加入者が死亡したときの手続き
年金を受け取ることのできる遺族
遺族年金を受け取るための提出種類と方法
遺族年金とは
未支給年金とは