年金が支給される年齢は男性が61歳、女性は60歳です。ただし、自動的に支給されるわけではありません。必要な書類を提出して請求しないといけないのです。その必要な書類のひとつに 年金 手帳 があります。
年金請求に欠かせないもの、そのひとつが年金手帳です。
年金手帳とは
国民年金や厚生年金に加入すると年金手帳が交付されます。これには、基礎年金番号、および最初に加入した時期が記載されています。つまり、当事者(貴方のことです)の年金の種類と、どれだけの期間納付したかを表すものです。
厚生年金から国民年金、逆に国民年金から厚生年金に切り替えるときにも必要な大切なものだと思ってください。
1997年(平成9年)に基礎年金番号制が導入されましたが、それ以前の年金手帳はオレンジ色です。その後に作成された手帳は青ですが、これを読んでいる皆さんはほとんどオレンジのはずです。
年金番号をひとつにまとめたものが基礎年金番号
年金手帳に記載されている基礎年金番号とはどんなものかを説明しましょう。かつて、厚生年金、国民年金はそれぞれが独自に年金番号を決めて、加入した人に割り当てていました。
しかし、それでは都合の悪いことがしばしば発生し、1997年にこれらを一本化した番号制度に切り替えられました。それが基礎年金番号というものです。
転職して年金の種類が変わっても番号は変わりませんから、年金はスムーズに支払われるようになりました。また、問い合わせがあった場合も即座に対応できます。
基礎年金番号が99から始まっていたら
新卒にしろ転職にしろ、一般企業に入社したとします。厚生年金に加入するには、それまで所持していた年金手帳を提出しなければなりません。
ところが、紛失していたり、遠隔地に保管したままだったりするとすぐには対応できません。すると、担当者はとりあえず基礎年金番号欄を空白のままで処理します。
しかし、年金機構はそれでは受け付けることができません。新しい基礎年金番号を割り当てると、すでに所持している番号とダブって二つ持つことになってしまうからです。
そのため、基礎年金番号が確認できるまでの間、99で始まる仮の基礎番号を使って管理します。その結果、データ上では別人として処理され、請求書が2通届く可能性が高くなります。
年金機構ではこのような事態を防ぐため、仮の基礎番号を使用した場合は「基礎年金番号確認のお願い」という通知を発行しています。これが届いた場合は必ず確認して返送するようにしましょう。
身分証明書としても通用する
オレンジの年金手帳は社会保険庁、青い年金手帳は日本年金機構。それが年金手帳の発行名義人です。日本年金機構は政府から委託された特殊法人ですが、社会保険庁は政府の中央官庁でした。どちらにせよ、これは国のお墨付きというわけです。
これがどういうことかというと、国が身分を保証していると解釈していいのです。つまり、健康保険証と同じように、顔写真はありませんが身分証明書として通用するのです。 もっとも、それを知ったところで、年金手帳を身分証明書代わりに使う人はいないでしょうが……。
年金手帳を2冊持っている人もいる
この数年で我が国の年金制度は大きく変わりました。所管官庁が社会保険庁から日本年金機構に変わったのを機に、さまざまなものが変わりました。その影響で、年金手帳を2冊以上持つ人が現れたのです。
前述したように、1997年に基礎年金番号が導入され、それとともに年金手帳の色が青色からオレンジに変わりました。そのときの手続き上のミスから、オレンジと青の手帳を両方支給された人がいます。
その場合、一元化されたはずの基礎年金番号ではすべてを管理できていない可能性があります。厚生年金に加入中の人は勤めている会社の社会保険担当部署に年金手帳を両方とも提出して手続きをする必要があります。
国民年金の加入者は年金事務所へ提出してください。
そのほかにもいろいろなケースがあるでしょうが、できるだけ早く処理した方が賢明です。
まとめ
年金請求に欠かせないもの、そのひとつが年金手帳です。
年金手帳とは
年金番号をひとつにまとめたものが基礎年金番号
基礎年金番号が99から始まっていたら
身分証明書としても通用する
年金手帳を2冊持っている人もいる