お金を貸していた人が亡くなった場合、相続人に請求することを考えるのが普通です。ところが、相続人がいるのか、いないのかがはっきりしない、これでは困ります。
このような場合、亡くなった方の財産を相続人に代わり管理して対応するのが 相続 財産 管理人 です。相続財産管理人についてご紹介します。
相続人不明の財産管理において相続財産管理人が必要な場合(前編)
相続財産管理人が必要となるケース
亡くなった方は権利を遂行することもできません。例えば、誰かにお金を貸していたのを回収するとか、保険金の請求をするとか、このようなことを相続人が引き継ぐことになります。亡くなった方にお金を貸していた人も、相続人に請求することになります。
相続人が存在しない、いわゆる相続人不存在の場合は、相続財産管理人がいないと、亡くなった方の財産の管理や処分ができません。
相続人は存在してはいるのですが、全ての相続人が次から次に相続放棄をして、結果として相続人不存在になった場合、財産の管理や処分をするには、やはり相続財産管理人が必要となってきます。
相続人不存在の場合、被相続人の権利や義務を、相続財産管理人が相続人に代わりに、財産の整理や処分を行いなります。処分した財産を債権者に按分することになります。
相続財産管理人にお願いするのはどうすればよいのでしょうか
亡くなった方に対して利害関係のある方、例えば、亡くなった方の債権者、特定遺贈を受けていた人がいればその方も含まれます、このような方などが家庭裁判所に相続財産管理人の選任の申し立てを行います。
亡くなった方と生前長い間生計を一としていた、亡くなった方の療養看護をしていたなど、特別の縁故があった方(特別縁故者と言います)も申し立てを行うことができます。ただ、この方に相続財産配分があるかどうかは、それぞれの段階の手続を経て、最終的に裁判所の審判によります。
申し立ては個人からでもできますし、この申し立て自体を専門家(弁護士など)に依頼することもできます。申し立てを受理した家庭裁判所が相続財産管理人を選任します。
相続人不存在の被相続人の財産は、亡〇〇〇〇(亡くなった方のお名前になります)相続財産として法人化され、法人化された相続財産全てを、選任された相続財産管理人が管理・処分・精算することになります。
相続人不存在の被相続人の財産に関する手続の流れ
家庭裁判所は、相続財産管理人を選任したことを官報などで公告します。それから2カ月後、被相続人の債権者や受遺者に対して、相続財産の請求をしてくださいよと、催告や公告をします。
その後2カ月の間に、相続財産管理人は、被相続人の全ての財産を調べ、財産目録を作成したり、また不動産があれば、所有権の登記名義人を相続財産名義に変更を行います。亡くなった方の債権なども回収します。
また、必要に応じて、不動産などの処分をして現金化することもあります。請求を申し出た債権者や受遺者に財産の分配や弁済を行います。
もしこの段階で財産が残るようであれば、相続財産管理人は家庭裁判所に対して、相続人がいる場合は申し出るように、相続人捜索の公告をするよう請求します。
この公告により相続人があらわれた場合は、残余財産は相続人が受け取り、手続は終了となります。また、財産が残らないときは、相続人捜索の公告は行いません。
まとめ
相続人不明の財産管理において相続財産管理人が必要な場合(前編)
相続財産管理人が必要となるケース
相続財産管理人にお願いするのはどうすればよいのでしょうか