自分や家族が病気やケガで介護が必要な状態になってしまった時にどのような介護の形態をとるのかはなかなか難しい問題です。もし要介護者が自宅での介護を希望したら家族はどう受け入れれば良いのか、さまざまな 現状 から 在宅介護 を考えます。
現状から見るそれぞれの在宅介護
要介護者の思い
現在介護保険制度における病気やケガなどで要介護及び要支援と認定された人は600万人にのぼります。ある調査でもし自分が介護が必要となった時に自宅での介護を希望する人は約40%というデータがあります。
単純に数字だけを見ると半数以上の人が自宅以外の施設や病院などに入ることを希望しているように思えますが、自宅以外での介護を希望する理由に注目するとその本心がうかがえます。
その理由で最も多いのが家族に迷惑をかけたくないという答えであることを考えると本当は自宅での介護を望んでいるが家族が介護者となる負担を考えて施設や病院を選択するという現状がみてとれます。
やはり本心では長く住み慣れた環境で家族と共に過ごすことを望む人は少なくないということです。
一方で自宅での介護を希望する理由として施設などの利用料金が心配だという点があげられていることを考えると家族に迷惑をかけたくはないが金銭的な理由から仕方なく自宅での介護を選択するという現状もあります。
介護者の思い
実際に要介護者を主に誰が介護しているかという調査では60%以上が同居している家族であるという現状があります。その内訳は配偶者が約40%、子が約33%、子の配偶者が約24%となっていて多くの場合が身近な家族が介護者となっていることがわかります。
そんな介護者の思いは家族の介護をするのは当たり前だというものからご近所や親族の目を気にして施設などを利用できないといったものまでさまざまなものがあります。
また別の調査では介護を理由に仕事を退職あるいは転職した人は70%近くいるというデータもあり介護と仕事の両立に悩む人が多いのも現状です。
さらに現在は自宅で介護をしているが症状が進むなどした場合はこのまま在宅での介護を続けていけないと考えている介護者の割合は30%となっており危機感を持っている人も少なくありません。
賢く選択する
在宅での介護を行う場合全てを家族のみの力で進めていくのはとても困難です。介護保険制度や事業会社から提供されているさまざまなサービスを知り上手に利用していくことをお勧めします。
在宅介護で利用できる主なサービスは訪問介護サービス、デイサービス、ショートステイなどがあります。また介護用品の支給なども受けられる場合もあります。さまざまなサービスを利用することにより介護者の負担が軽減されます。
ただしサービスを利用するには金銭的な負担が発生してくるのでケアマネージャーとよく相談してバランスをとっていくことも重要です。こうしたサービスを利用したとしてもどうしても介護者である家族の精神的及び肉体的な負担はかなりのものになってしまうという現状もあります。
そうした介護者に対するケアを目的とした介護者支援のサービスもあります。自治体や各種団体などで相談窓口を設けたり役立つ情報を発信したりしています。
終わりの見えない在宅介護を続けていくにはそのようなサービスを賢く選択して要介護者にとっても介護者にとってもできるだけ無理のない形をとることが大切です。
知らないことの恐ろしさ
1人暮らしの高齢者や高齢者のみの世帯では介護が必要な状態になっているにも関わらず介護保険自体を知らない、もしくは知っていても手続きの方法がわからないといった理由から介護保険の適用を受けることができていない要介護者が存在しているという現状があります。
若くて元気な時はあまり考えないことかもしれませんがいざ必要になった時に困らないように事前に介護保険などについて知っておくことは大切です。
最後に将来自分や家族の介護を考えた時に約90%の人が不安を感じると答えたというデータがあります。今や在宅介護は老いも若きも関係なく多くの人が注目する問題でありみんなで考えなくてはならない問題となっているのです。
まとめ
現状から見るそれぞれの在宅介護
要介護者の思い
介護者の思い
賢く選択する
知らないことの恐ろしさ